そこであらためて紹介させていただこうと思いますが、本のまえがきを引用することにします。
興味を持っていただけたら幸いです。
(まえがき、ここから)
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私が最初にマインドフルネスということばに出会ったのは、二〇〇四年ごろのことでした。ラジオ番組でベトナム出身の僧侶ティク・ナット・ハンのことを紹介していて、気になってハン師の著書『禅的生活のすすめ』を読んでみたのが最初だったと思います。
そのころ私は、自分自身の音楽をどのように表現するのか、あるいは関わりのある朗読者たちとどのような表現を作っていけるのか、ということに取りくんでいて、ハン師の本に書かれていたマインドフルネスの考え方は、リアルタイムでおこなわれる表現パフォーマンスにおいてとても重要な意味があると直感したのです。
以来、みずから実践してみたり、さまざまなワークに参加したり、あるいは自分でもワークの場を開催したりしてきました。
現在、マインドフルネスということばはかなりの市民権を得たようです。とくに精神医学の分野でそれを有効視する動きがあります。また、有名なグローバル企業にも、社員の能力を高めたり健康法として取りいれたりする動きがあって、話題になったりもしています。
マインドフルネスはもともと、ブッダがおこなっていたヴィパッサナー瞑想から来ています。そのあたりの経緯については、さまざまな記述や考察が多くの本に書かれていますから、私が説明するまでもなく、そちらをご覧いただきたいと思います。
しかし、そう聞くと、なにやら難しいものだと感じて尻込みしてしまう人がいるかもしれません。
逆に、ハン師を筆頭に、「これはなにも難しいことではないんだよ、だれにでもできることなんだよ」と説き、広めようとしている人々もいます。
私はそのどちらの立場でもありません。いや、いいなおいましょう、どちらの立場でもあります。
マインドフルネスの実践は、どなたも、特別な技術や心構えがなくてもおこなえるものですし、またそれは奥が深いものでもあります。方向性をあやまると、「こんなんでいいんだ」という安易な「できてるつもり」の罠におちいることもあります。
罠にはまらないためには、さまざまな角度から、本当に自分自身の「いまここ」の命の鼓動に触れ、味わうことを試みてみる必要があります。
本書は、私が二〇一四年の元旦から大晦日まで、一日も欠かすことなく、三百六十五回分のマインドフルネスの練習方法をブログで発表したものをベースに、まずは一月から三月までの期間をまとめたものです。
自分でもよくやったな、と思います(笑)。
この本が、いくらかでも、みなさんの自分自身につながり、いまここの「生」を味わうことの役に立つことができれば幸いです。
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(まえがき、ここまで)
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