小石川の見樹院というお寺の本堂を上映会場に使っていて、最寄りの後楽園駅からは10分くらい歩きます。
この「映画を観るために会場まで歩いていく時間」というのが、意外に味わい深いんです。
たいていの映画館は、アクセスのいい、駅のすぐ近くにあるじゃないですか。
あるいは駐車場完備の郊外のショッピングセンターとか。
この連続上映会は、なぜかうまくスケジュールが合って、第1番から全部見逃すことなく参加できています。
今回は第5番でした。
各作品にテーマがあって、今回は「つながり」かな。
この5番は1番から4番までに出演した方々が、すでに他界した方も含めてたくさん登場してくる編集がしてあって特徴的なんですが、この回のための主要出演者としては西表島で伝統染色の仕事をしている石垣昭子さん、量子物理学者のアーヴィン・ラズロー、産婦人科医の大野明子さんの3人です。
もうひとつテーマがあって「死と誕生」。
亡くなった出演者を悼む神道の儀式と、監督のお子さんが生まれる出産シーンを扱っています。
そして出産シーンでは思いがけず、知り合いが登場してびっくりです。
私は監督に龍村仁さんとはお会いしたことも話したこともないんですが、奥様はNVCの活動を通じてよく存じあげているのです。
彼女だから、というわけではありませんが、出産にまつわるシーンや話はその尊厳や尊さや、逆に「特別なことではない」「自然の一部」というメッセージが、佐藤初女さんのことばを折りまぜながら大変美しく表現されていて、何度か思わず涙してしまいました。
多くの人に見てもらいたい映画です。
龍村監督はこの映画を、私のざっくりした計算では3、4年に1本のペースで撮られているようです。
大きな仕事だと思います。
私もこんな大きな仕事に取りくめるようなことがあるだろうかと思うと、ちょっと悲しくなりますが、一方で大きな仕事ができる人を応援したいという気持ちが残ります。