2017年1月31日火曜日

歌や楽器の残念な練習法

1月27日(金)は新代田の音楽練習室で音楽レッスンをおこないました。
ひとコマ30分で、ピアノや歌など、即興演奏や発声や身体表現について、それぞれの参加者がやりたいことをやってみて、それを私がチェックしたり練習法を提案したり、というレッスンで、たぶん一般的なピアノレッスンや音楽教室とはまったくおもむきの異なった内容だったのではないかと思います。

子どものころピアノを習っていて、途中で挫折してしまったという人は大変多いですね。
ピアノにかぎらず、ほかの楽器やボーカルレッスンについても、途中でやめてしまったという人は少なくないんじゃないでしょうか。
そういう人に挫折した理由を聞いてみると、ほとんどが練習がつらくていやになった、というものです。
私にいわせれば、つらい練習などしなければいいと思うんですが、教師からそのように指導されるのでやむをえずやるんでしょうね。
で、結局いやになってやめてしまう。
当然ですよね。

多くの人が、なにかを上達するためには、きつくてつらい練習を乗りこえなければならないと思いこんでいるようです。
楽器にかぎらず、勉強やスポーツにおいても、そういう思いこみがあるようです。
しかし、本当にそうでしょうか。

たしかに、楽器や勉強やスポーツでも、世界にほんのひと握りしかいないような超最先端の世界に行くためには、かなり厳しいトレーニングが必要かもしれません。
実際にそういうレベルの人は厳しいトレーニングを自分に課していることでしょう。
しかしそのことを彼らは「きつくてつらい」と思っているんでしょうか。
むしろ、「きついけど楽しい」くらいに思っているような気がします。

私がいまのように自由にピアノ演奏を楽しめるようになったのは、きつくてつらい練習を こなしてきたからではありません。
むしろ逆で、きつくてつらいことを一切やらずに、自分が楽しくて楽々とやれることだけをやってきたから、途中で挫折することなくここまで来たのです。

あることができるようになるためには――つまり自分が成長するためには、もちろん練習が必要です。
そしてその練習を日々積み重ねる必要があります。
つまり、ながくつづける必要があるのです。
ながくつづけるためには、それが楽しくなければならないし、また楽々とやれなければなりません。
だから、練習は楽しいことだけをやればいいのです。

私の音楽レッスンはその人に共感し、ニーズをいっしょにさがし、なにがその人にとって楽しいことなのかを見つける時間です。
私からはこれまでの自分の経験やレッスンで得られた知見をもとに、いくつか提案し、やってもらいます。
それが楽しいと思えたら、家でもその練習をしてきてもらいます。

そのとき重要なことは、自分自身の「感じ」をつかむことです。
ほんとうに楽しいのか、わくわくしているのか、いやな感じはしないか、もっと楽しみたがっているのか、あるいはもうやめたがっているのか。
自分自身につながりつづけることも、練習で自分を成長させる鍵となります。
私はそのお手伝いもします。
練習しているときの自分の身体や自分自身の感じを観察する練習をしてもらいます。

自分を観察するためには「ゆっくり」が必要です。
楽器の練習にしても歌の練習にしても、たいていの人はスピードが速すぎるのです。
それでは自分をちゃんと観察できません。
自分を「読み飛ばして」しまいます。
自分を読み飛ばさない丁寧さとゆっくりさが、練習では必要なのです。

水城ゆう音楽レッスン@世田谷東北沢(2.26)
2月26日(日)夜、ピアノ付きの音楽室で音楽レッスンをおこないます。13:00から30分単位で、7コマのレッスンを受け付けます。グループレッスンも歓迎。ピアノ、歌、即興、アレンジなど、どうぞチャレンジしてみてください。