「自分とつながる」というテーマでのワークショップは、昨年・2016年の年末に5回シリーズで切り口を変えておこないました。
現代朗読、共感的コミュニケーション、音楽瞑想、音読療法といった、私がこれまで追求してきたことについて「自己共感」および「マインドフルネス」というアプローチでそれぞれワークをおこなってみたんですが、テキストライティングもそのひとつでした。
テキストライティング、つまり文章を書くことは、私がずっとやってきたことです。
古きには小学生のときの読書感想文からはじまっています。
夏休みの読書感想文を苦痛に感じた人も多いようですが、私はそれほど嫌ではありませんでした。
なにか賞をいただいたこともあります。
以来、中学生、高校生と、作文は好きで、本を読むことはもっと好きでした。
そして20代になっても書きつづけ、29歳のときに職業小説家になったのです。
その後、ニフティサーブというパソコン通信サービスのなかで、「本と雑誌フォーラム」というコーナーの世話人となり、そこで「小説工房」という文章道場のようなことを主宰しました。
これは二冊の本にもなっています。
その後、カルチャーセンターで小説や文章の講座を持ったこともあります。
つまり、自分も書くのが好きですが、人の書いたものを読んだり、意見交換したりすることも好きだったのです。
2006年に設立した現代朗読協会では、スピンアウト・ゼミとしてテキスト表現ゼミをおこない、その後「次世代作家養成」という名前で講座やゼミとしてつづけてきました。
そのゼミは、現代朗読協会のゼミシステムが終了するとともに縮小し、終わっていく予定だったのですが、最後まで「同人」として付きあってくれた奥田浩二くんや知念満二さんを中心に昨年いっぱいまでつづきました。
最後のチャンスとして「自分につながる」シリーズで身体表現としてのテキストライティングのワークを年末におこなったわけですが、みなさんから「つづけてほしい」という要望があまりに強かったため、「身体文章塾」という名前で今年からあらたに再スタートすることにしました。
これまで次世代作家養成ゼミや、年末のテキストワークショップに参加してくれた人を限定的なメンバーとして、とりあえず今月からスタートします。
自分の「身体」と「ことば」「文章」を探求し、テキスト表現のオリジナリティを探ろうという試みです。
キーワードとして「自己共感」と「マインドフルネス」があげられるでしょう。
共感的コミュニケーション(NVC)における自己共感、すなわち自分自身のニーズにつながり、いきいきと活力あるなかで自分を表現していく、というもの。
そして、いまこの瞬間の自分自身とまわりのことに気づき、思考や判断をまじえずにありのままを感じ、受け取りつづける状態であるマインドフルネス。
これらをテキスト表現においても訓練することによって、どのようなオリジナリティが現れてくるのか探求しよう、という塾です。
これは現在、クローズドメンバーによる集まりですが、ここに参加したい人は、だれでも参加できるオープンな場である「自分につながるテキストライティング・ワークショップ」にまず参加していただきたいのです。
2月開催回は定員に達しましたが、キャンセル待ちは受け付けていますし、3月開催回もあります。
◎自分とつながるテキストライティングWS(3.11)
いまの時代こそ表現の根本である「ことば」が重要であり、私たちは自分自身を語ることばを獲得する必要があります。それを模索するワークショップを3月11日(土)に国立で6時間にわたって、じっくりとおこないます。