2016年1月15日金曜日

川崎高校で地球市民入門の授業を聴講

神奈川県立川崎高校まで行って、羽角先生の「地球市民入門」という授業を見学してきた。
羽角先生は元々、物理の先生なのだが、環境教育などの方面で活躍されていて、その筋では有名な方らしい。
私は先日のみつばち同好会の見学で知りあった。

川崎高校は単位制で、生徒たちは自分のクラスや教室を持たない。
一人ずつのロッカーがあって、私物はそこに入れてある。
ホームルームのようなものもない。
登校時間と下校時間は自分が受ける授業によって決まる。
大学と同じシステムのようだ。

最近、こういう高校、増えてるのかな?

地球市民入門の授業は一年を通してカリキュラムが組まれていて、羽角先生が独自に作られたものだ。
労作だと思う。
正課としての認可を得るのも大変だったのではないかと想像する。

今回は一年のほとんど最後のほうの授業で、

 第7章 グローバル化と貧困…国内の貧困・格差問題
  その2 労働者の権利

というテーマだった。
学生たちは3つのグループに分かれ、ワークシートに沿って作業しながら学習する。
労働基準法や労働契約法を参照しながら作業するのだが、法文が難解で、取り組むのが大変そうだった。
しかし、これから社会に出て行ったり、選挙権を付与される彼らにとっても、大事な内容だろうと思う。

難しい内容だったが、授業は意外に早く終わった。
見学していた私を羽角先生が呼び、自己紹介するようにいわれた。
私は自分がピアニストであること、ものを書く仕事もしていることなどを伝えて、なにか質問はないか訊いてみた。
質問が来る前に、この部屋(多目的室)にはピアノがあって、鍵もかかっていないので、鳴らせるはずだと学生たちが教えてくれた。

私は自分が即興ピアニストであり、ではいまから、ここ数日の寒さを思い浮かべながら、「雨が雪になって、やがて晴れ間が出てくるストーリー」を演奏してみたいと告げて、ピアノにむかった。

みなさん、最後まで真剣に耳を傾けてくれて、とても幸せな時間だった。
演奏が終わってから、共感的コミュニケーションというものがあり、それを伝えることもやっている、とみじかく話した。
労働者が法律で守られることはとても大切だけれど、その前に雇用者も労働者も人と人としてのつながりを大切にし、お互いのニーズを尊重しあえる社会やコミュニティがあることも大事だと思っていて、そういうことにも興味を持ってもらえるとうれしい、と伝えさせてもらった。

みじかい間だったけれど、学生たちに私の演奏と思いを伝えるチャンスをいただけたことを、羽角先生に感謝したい。

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