2010年12月8日水曜日

「特殊相対性の女」の野々宮卯妙は「Ginga」にも出演する

野々宮卯妙は純粋培養の現代朗読パフォーマーといえる。
なぜかというと、まだ現代朗読協会が発足する前、漠然とした既製の朗読指導の方法に疑問を持った私が、徹底的に表現の基本原理に立ち返り、確認しながら再構築していった「現代朗読」の方法が、どこまで純粋に「既製の朗読指導を受けたことのないまっさらな者」に通用するのか、実験台となってもらったのが、野々宮卯妙だからだ。

初期の頃、げろきょにまだ多くの職業ナレーターやアナウンサー、商業声優が出入りしていたときには、野々宮もなかなか彼女たちのようにはうまくいかず(それはそうだろう、技術的なことを真似しようとしても彼女らのほうが何歩も先んじているわけだから)、いつも泣きながら練習していたものだ。
が、現代朗読の方法論と思想がはっきりしてきたころから、そして彼女もがんばってオーディオブックを収録したりライブに出たりするようになったころから、急にのびのびとしはじめた。
しまいには、いつどんなものが飛びだすかわからない個性的な朗読者ということで「テポドン野々宮」などというニックネームまでつけられるようになった。
いまでは個性的な表現力に加え、確かな技術も身につけて、たとえば、
「長年型にはまった朗読を続けてきたベテラン朗読者」
なんてのを演じてみせることすらできる。

今回の「特殊相対性の女」では、こちらもなにが飛びだすかわからないスリリングな女優・石村みかを相手に、一歩もひけを取らない読みを聞かせてくれるはずだ。しかも、野々宮はわざと「朗読者」を具現して固定位置で読むことになっている。圧倒的にパフォーマンスとしては不利な位置にいる。
それでもスリリングなパフォーマンスになることを、私は期待している。
また、彼女は「Ginga」のほうにも出演することになっていて、3ステージのかけもちだ。もっとも私は4ステージのかけもちだけど。
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