個人宅というのは星寿美さんの家のことだ。
彼女の家のこじんまりとした、しかし居心地のいい居間を利用して、共感的コミニケーションの勉強会を月に1回のペースでおこなってきた。
寿美ちゃん――私は彼女のことをいつもそう呼んでいる――のつながりがある人々が多くやってくる。
寿美ちゃんがそうであるように、皆さん個性豊かな人たちで、勉強会も毎回バラエティーに富んだ楽しいものとなっている。
楽しいだけでなく、気づきの多い、深い学びがもたらされる時間にもなっている。
今回は、やはり寿美ちゃんの知り合いの、若いカップルが参加してくれた。
2人ともNVC――共感的コミニケーションは未体験で、名前ぐらいは聞いたことがあるけれども勉強会に出たり体験するのは初めてということだった。
私の共感カフェでは大抵そうであるように、今回も、NVCの原理やプロセスを原則通りに伝えるというよりも、実際の体験やエピソードに即して共感を実際に体験してもらうという方法をとった。
肉親との関係や自分自身とのつながりについて、実際に私が共感したり、参加者に共感してもらったりしながら、自分のニーズに深くつながっていく体験をしてもらえたのではないかと思う。
初めての人が実際に共感を体験すると、ちょっとした新鮮な驚きがあるし、今回もかなり面白がってもらえたようだった。
これをきっかけに、より共感的コミュニケーションに興味を持ち、継続的に学びや体験を深めていってもらえるといいなと思う。
また、若い人にとっては肉親との関係について、私のような年代のものから共感をされるというのがいいのかもしれない。
親のニーズについて推測するときに、同年代の者同士でニーズを探すのも有効ではあるが、親と同じ世代である私のような者といっしょに推測したり、親が持っているかもしれない「痛み」について想像を働かせる助言を聞くと言うのは、新鮮な発見があるように見受けられた。
この寿美ちゃんち共感カフェにかぎらず、私はあちこちで1か月に1回というペースの共感カフェを開催しているが、そこを主催する方や参加する皆さんは一様に、1か月に1回ではなかなか学びが進まないという悩みをいうことがある。
しかし、勉強会の開催は1か月に1回しか行われなくても、その間に皆さんは必ず共感について思い起こしたり、気にかけていたりするわけで、それが学びや成長をもたらしている。
寿美ちゃんちの共感カフェもすばらしい場になってきているし、そのことに世話人の寿美ちゃんやリピーターとして参加し続けている人たちに、深い感謝とお祝いを捧げたいと思う。
次回、来月の寿美ちゃんち共感カフェの開催は、10月1日(木)の予定です。
東松原在住で自宅をイベントに開いている星寿美さんが、共感カフェを主催しています。おたがいに深く聴きあうことのできる場で自分自身の価値とニーズにつながるためのサポートをおこなうおはなし会です。午後2時から約2時間。