2020年2月8日土曜日

リップノイズは口先だけでは対策できない

できるだけSNS断捨離しようと思って、手をひろげてしまったいくつかから撤収をはかっている。
たとえば古くはmixi、最近ではInstagram。
Facebookも断捨離したいけど、こちらは知り合とのつながりがあって、すぐには切れなさそう。

Noteというサービスがあって、これはブログ記事をただ機械的にコピペしているだけなので切ってもいいなと思っているところだけど、今日の朗読ゼミにはNoteの記事を見たという人が参加してくれて、どこでなにが見られているかわからないと、ちょっと悩ましくなる。

それはともかく、Noteには「リップノイズ対策」の記事を掲載してある。
リップノイズといっても、声の仕事と関係のない人にはわからないだろうし、かつどうでもいいことだと思うけれど、ナレーションやアナウンスの仕事をしている人にはかなり切実な問題として立ちはだかっている。
ようするに、マイク収録するときに口の内外から発生するノイズ成分のことだ。
ぺちゃぺちゃ、ぴちぴち、ねちゃねちゃ、パチン、ピキン、ときにはコツンというような金属的なノイズもある。
一般的なオーディエンスはまったく気にしないし、そんなものが混じっていることに気づきもしないだろうが、きれいな音声収録では問題になる。

今日はそれが気になるという人がゼミに参加してくれたのだが、そもそも現代朗読ゼミではリップノイズを専門的にはあつかわない。
ただし、現代朗読の身体トレーニングがリップノイズ対策として大変有効に働くことはわかっている。

ここでくわしくは書かないが、ようするに身体の使い方の問題なのだ。
「身体」には身体全体の関連性をふくめ、姿勢、呼吸、発声、口中のスペースの問題、舌の柔軟性の問題まで、ひとつながりになっている。
どこか一部分だけ取りあげて問題解決をはかろうとしても、うまくいかない。
車のサスペンションがいかれてギシギシいっているのに、マフラーを交換してノイズを減らそうとするようなものだ。
そもそも車が老朽化しているなら、車全体を整備してやる必要がある。

そんなこんなで、ようするにいつもとおなじこと——現代朗読の基礎トレーニング——をおこなった。
やっているうちに自分の身体に気づき、みんなとの声の響きあいを味わい、読むことそのものがどんどん楽しくなっていく。
それによっていきいきとした身体でなにかを読めば、そのいきいきさは聴き手にも伝わり、リップノイズがどうのという問題はどうでもよくなる。
いや、リップノイズも相当軽減されているはずだ。

そんなことを伝えたり、実際に確認しながら、今日も楽しくやらせてもらった。
参加してくれたみなさんと進行をサポートしてくれた野々宮卯妙に感謝。

次回のゼミは2月22日(土)の予定だが、ひょっとして15日か16日にも臨時に開催するかもしれない。

2月22日:臨時朗読ゼミ(水城ゼミ)
ゼミ生が個人レッスンを受けるタイミングで臨時の現代朗読ゼミを開催します。身体表現あるいは音楽としての朗読を楽しみましょう。2月22(土)10時半から約2時間。