2017年12月22日金曜日

映画:エイリアン・コヴェナント

あまりに楽しみにしすぎて、期待はずれでがっかりするということがあるけれど、それに近いことが起きてしまった。
とはいえ、この映画がだめだったかといえば、全面的にはそういいたくないという気持ちがある。

リドリー・スコット監督による最初の「エイリアン」からはるばるやってきて、ここにふたたびリドリー・スコットによるシリーズの新作が公開された。
期待しないほうが無理だが、この「コヴェナント」の前に「プロメテウス」が公開ずみだったことを、私はすっかり忘れていた。
「コヴェナント」はてっきり、これまでさんざんいじくり倒されて変な方向に行ってしまったエイリアンシリーズを軌道修正すべく、正統なエイリアンシリーズの一作として完全に独立した作品(というのは矛盾した表現だが)として作られたものだと思いこんでいたのだ。
だから、見終わったとき、これが「プロメテウス」の続編として作られたものだとわかって、ちょっとがっかりしたのだった。

がっかりした理由はほかにもある。
リドリー・スコットという監督は、どの映画も「超一流/超大作」という感じはしないものの、魅力的な作品が多く、とくにその登場キャラクターの配置には絶妙なものがあると思っていた。
古い順にならべてみても、
「ブレードランナー」
「ブラックレイン」
「テルマ&ルイーズ」
「ハンニバル」
「オデッセイ」
いずれも主人公はもちろん、脇役にも魅力的なキャラクターが配置され、ストーリーを盛りあげていた。
もちろん最初の「エイリアン」はリプリー役ことシガニー・ウィーバーだ。

前作であることが判明した「プロメテウス」にも、個性的な役者が登場している。
ガイ・ピアースにシャーリーズ・セロン、主人公の女性考古学者にはノオミ・ラパス。
彼女の体当たりの演技にはのけぞらされた。
この「コヴェナント」はそれらに比べると魅力に欠けるといわざるをえない。
そこが残念だ。

エイリアンシリーズは最初の「エイリアン」のあと、ジェイムズ・キャメロンによる「エイリアン2」(これもすばらしい)、デヴィッド・フィンチャーによる「エイリアン3」(残念)、ジャン=ピエール・ジュネによる「エイリアン4」(うーん)ときて、「プロメテウス」と「コヴェナント」でリドリー・スコットの手に戻ってきた。
それは喜ばしいことといわねばならない。
ひょっとして、まだ続編がありそう?

生涯に見た映画のベスト10をあげるとしたら、そのなかに「エイリアン」と「エイリアン2」を私は迷わずいれるだろう。
しかし、残念ながら「プロメテウス」と「コヴェナント」は入れられない。
だからといって、まったく楽しめないわけではない。
楽しめるし、スリリングな要素もたくさんある。
もう続編は作らなくていいよ、という気持ちも本音としてあるけどね。

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