2017年6月13日火曜日

ひさしぶりの朗読ゼミでわくわくした


ほぼ1年ぶりとなる現代朗読ゼミをくにたち春野亭でおこなった。
参加者は私もいれて4人と少人数だったのだが、現代朗読に初めて触れる人もいたので、基本的な考え方から基礎トレーニングの入口あたりまで、ざっくりとではあるが楽しくやらせていただいた。

朗読という表現行為にはアプローチの方法がふたとおりある。
ひとつはテキストの内容や作者の思いなどを伝える「伝達」に主眼を置いたもの。
もうひとつは、テキストを読んでいる自分自身に注目し、自分の生命現象を伝えようという「表現」に主眼を置いたもの。

どちらがいいという話ではないが、現代朗読においては後者のアプローチをとっており、そちらに興味がある方においでいただきたいと思っている。

そんな話(ひさしぶりにした)のあと、身体や呼吸に注目して、いまこの瞬間の自分自身の生命活動をとらえる練習。
そして、「何かを読んでいる自分の状態を緻密に観察する」練習。
といっても、これはそう簡単にだれでもできることではない。

やってみればわかるが、我々現代人は本当に自分の身体が見えなくなっている。
いやそんなことはない、ちゃんと見えている、という人は、たいてい、見えている気がする、見える感じがする程度のもので、表現行為に使えるクォリティの感受がある方はまれだ。

このバーチャルな「感じ」はマインドフルネスや自己共感の質も落とすことがある。
現代朗読の練習は、朗読という簡単な行為を通じて自分を緻密に見るトレーニングでもある。
朗読表現に興味がない人にも有効なのだ。
朗読に興味がある人には、ここからさらに自分自身の生命活動に直結した表現行為へと進んでいくスリルがある。

私自身にもやりたいことがある。
群読と音楽を融合させたコンテンポラリー・リーディング「ウェルバ・アクトゥス」に再挑戦したい。
まだだれも見たことのないようなライブパフォーマンスを作ってみたい。
そのためにはもう少し仲間がほしい。
それは特別なパフォーマーじゃなくてもよく、ごく普通の、ただし自分の存在の可能性にチャレンジしてみたいと思っている人が望ましい。

うれしいことに、昨日の初参加の人は私の考えかたややり方に共感してくれ、さっそくゼミ生の仲間になってくれた。
ここからふたたび始まる。

6月開催:現代朗読ゼミ(6.17)
約1年間のお休みをいただいていた現代朗読ゼミが、内容と方向性をあらたにリニューアルオープンしました。6月の開催は17(土)/22(木)/25(日)/29(木)、いずれも10時半から約2時間。