けっこうポピュラーなブランドなのに、なぜか飲む機会がなかった。
2014年にサントリーがこのキルベガン蒸留所を買収している。
キルベガンというのは、この蒸留所があるアイルランドのちいさな村の名前だ。
調べてみると、1757年にブルスナ蒸留所として創業した最古の蒸留所のひとつで、その後紆余曲折あって、1953年には一度営業を停止してしまうのだが、1988年にキルベガン蒸留所として再開した。
飲んでみると、これはなんとまあ飲みやすい。
アイリッシュなのでスコッチ特有のスモーキーフレーバーはもちろんないのだが、果物系のかおりと甘みが口中に残り、それがまたしつこくないすっきりと消えていくので、ついつい杯を重ねてしまう。
常用酒としておけるほどの手頃な価格なので、もっと人気が出てもいいのではないかと思う。
つい進みがちになってしまう口あたりのよさを、ぐっとがまんして一杯だけいただき、アリステア・マクラウドの短編など再読しながら気分よく眠ってしまう、というのが最良の楽しみかたにちがいない。