2017年11月11日土曜日

韓氏意拳の講習会に参加する人たち

内田秀樹先生にご指導をお願いしている11月の世田谷韓氏意拳世田谷講習会は、先日、烏山区民センターにて終了した。
参加は少人数だったので、かなりじっくりと核心部分をじっくりと指導していただき、また稽古もできたので、充実した時間となった。
内田先生、ありがとうございました。

充実した時間だったが、当然武術の稽古なのでかなり疲れる。
今回はショートクラス(1時間半)とレギュラークラス(2時間半)の2コマを、ごくみじかい休憩をはさんでほとんどぶっつづけでおこなった。
私はやや体調がわるかったこともあって(食中毒か流行りの風邪か原因は不明ですが嘔吐と下痢のなか)、終わってから相当消耗したが、やっている最中は集中していてあまり疲れは感じなかった。

しかし、毎回、私以外の参加のみなさんの集中力にも驚かされる。
とくに韓氏意拳の講習会は女性や高齢の方の参加も多く、なかには私よりずっと上の年齢の方も多い。
私より長くつづけておられる方もいれば、最近になってあらためて入会した方もいる。
長い経験者の方は、ご一緒させてもらうと、その動きや身体性に触発されたり刺激を受けてありがたい。
経験が浅い方は、衰えない好奇心や探究心をお持ちのようすに、こちらも大いに刺激を受ける。
いずれにしても、先輩のみなさんには敬意をおぼえるばかりで、そのような方々といっしょに稽古できることが本当に幸運だと思う。

女性も男性も、高齢といってもその集中力と体力はすばらしく、こちらがへろへろになってくたばりそうになっていても、まだまだしゃんとしておられる方が多い。
2コマぶち抜きの講習会だと、5時間以上なんて時もあるので、もう驚くしかない。
もっとも、私にしても、入会したばかりのころは、2時間半のひとコマですら立っているのがやっとというありさまだったので、いまは5時間立っていられるだけでもかなり進歩したというべきだろう(きついけど)。

そんなきつい稽古をなんで毎回やるんだ、といわれれば、楽しいから、としかいいようがない。
韓氏意拳では「自然運動」ということを重視していて、軌道をねらった動きや、動き方をなぞったやり方を厳しくチェックしていく。
その過程で、たとえば「腕をあげる」という単純な運動ひとつ取っても、自分がいかに頭でそれをかんがえ、あらかじめイメージした軌道ややり方をなぞろうとしているかに気づかされる。
では、どうすれば自然運動としての「腕をあげる」という運動が生じるのかというと、それは「発生する」としかいいようのないとどこおりのなさで生まれてくる瞬間がある。
その瞬間をつかまえ、育て、全身に響かせ、つづけてみる。
そこにはまったく「手ごたえ」とか「力感」はないのだが、なんともいえない心地よさは味わいがある。
自分も自然生命の一部であることを感じ、可能性をかいま見、喜びを感じる瞬間だ。

今回の烏山区民センターでの講習会でも、形体訓練という、練習体系の最初にあるものからはじまって、丁寧に身体と運動を見、ときにそこから站椿や技撃椿、歩法との関連を検証しながら、奥行きのある稽古をさせてもらった。
もう何年もやっている稽古なのに、あらたな発見がいくつもあったのには驚く。

とっつきにくく、またつづけていくのも難解に思える部分がある武術だが、すくなくとも私にとってつづけることに非常に大きな意味を持っていて、自分の未知なる身体のさらなる探求のためには不可欠なものとなっている。

11月14日:国立・韓氏意拳初級講習会
駒井雅和中級教練による国立での韓氏意拳初級講習会の2017年11月は、14日(火)午後にJR国立駅徒歩5分の会場にて開催します。