2017年5月6日土曜日

「いま」がかけがえのない財産

連休の連続講座二日めは「音楽瞑想ワークで自分とつながる」でした。
音楽瞑想といういうと、なにか特殊なワークのように聞こえるかもしれませんが、内容はマインドフル瞑想の一種です。
音楽=音、つまり聴覚を中心とした体感覚に注目することで、「いまここ」の自分自身とまわりのことに気づきつづけ、言語思考から自由になる体験と練習をします。

もともとは2004年ごろから地下スタジオを真っ暗闇にしてはじめた「ディープリスニング」と称するライブでした。
その後、そのような聴覚瞑想をアメリカのポーリン・オリヴェロスというアコーディオン奏者が「ソニック・メディテーション」と称してワークをおこなっていることを知り、著書も読んだんですが、私がおこなっている、あるいはめざしている方向ととてもよく似たものだったので、親近感を覚えたものです。

音楽瞑想は誘導瞑想の一種で、ただしことばは使いません。
音楽という音響――メロディやハーモニーやリズム――の変化によって喚起される身体的イメージによって、感覚体としての自分を体験してもらおうというものです。

座禅などの瞑想はある程度の熟練が必要ですし、呼吸や鐘の音などによるマインドフルネスの練習はともすれば「やっているつもり」になりがちな面があると、私自身は自分の経験によって感じていました。
そうでない方ももちろんいるとは思いますが。
しかし、音楽によって誘導されるイメージ瞑想は、だれでも比較的容易に感覚体としての自分を体験できます。
またその体験は、日常生活のなかでも生かすことができます(私がそうです)。

いつでも思考や判断を手放し、「いまここ」に気づきつづける感覚体に自分をシフトできる経験は、ごちゃごちゃした現代社会の日常においてとても有効でパワフルなものです。
そもそも私たちは、いまこの瞬間を生きています。
過去はもうここにはなく、あるのは実体のない「記憶」だけです。
記憶もひょっとして捏造された部分があるかもしれませんし、そのような不確かなものを反芻することで私たちは自分がいま発揮できる能力や可能性をいちじるしくそいでいます。

いまこの瞬間の、ひとしく流れている時間、それだけがすべての人に共通のかけがえのないものであり、そこをどう生きるか、この瞬間に気づきつづけるクオリティをどう確保できるかが、人生の時間の豊かさを決めます。
過去も未来も、いまここにはないのです。
私は持っていないのです。
私が持っているのは、いまこの瞬間、まさに手のひらをすり抜けつづけている刹那刹那です。

この刹那に接続するクオリティをあげる練習として、音楽瞑想も有効な方法のひとつだとかんがえています。
今後もグループセッションでも個人セッションでも提供していきますので、興味がある方は気軽に私にお知らせください。

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