ところが、暮れと正月休みでトレーニングをさぼっていた読み手は、たちまちクオリティの低下として顕在化して苦労することになる。
ディレクションをしていると、マイクに向かっている読み手がどの程度トレーニングをおこたらなかったのか、あるいはおこたったのかは、手に取るようにわかる。
それはもう物理的な瑕疵としてはっきりと顕在化するのだ。
リップノイズが多くなるのは当然として、数分も読めば読みがよれてくる、呼吸が不安定になる、そこに注意を向けなければならなくなると今度は表現が甘くなる、硬くなる、作り声になる、押しつけがましい発声になる、とさまざまなことが起こる。
これはもうごまかしようがなく起こってくる。
なので、最悪、差し戻し(日をあらためてのやりなおし)になるか、なんとか収録をすすめたとしてもお互いに大変苦労することになるし、時間もかかる。
たのむからみんな、日頃のトレー二ングをおこたらないでね。
どうやれば読みのクオリティが維持できるか、あるいは向上できるかについては、すべて伝えてあるつもりだ。
世間で多くの人が苦労しているリップノイズ対策についても、現代朗読ではほぼ完全にクリアする方法が確立されている。
トレーニングをただやるだけだ。
それだけ。
自分のニーズにつながって、毎日しっかりと、おこたらずにやる。
バレリーナが毎日ストレッチを欠かさないように、アスリートが毎日ランニングや筋トレを欠かさないように、イチローが毎日決まった手順で訓練を重ねているように、朗読者も基礎トレーニングを毎日欠かさずやってほしい。
そうやってマイク前にすわる読み手は、オペレートするこちら側にもはっきりとわかる。
とても気持ちよく表現に集中してディレクションができる。
仕事の質をあげていくことに集中できる。
というようなことをみんなに理解してもらえると、私はうれしいのだ。
※音声表現に関わる仕事をしている方、それをめざしている方のためのスキルアップ個人セッションをおこなっています。プライバシー厳守します。詳しくはこちら。