武術はいくらか習ったことがあるが、こんなにつづいているのは初めてだ。
武術を習いにいくとき、なにが(私にとって)嫌かというと、道場に行ってまず「礼」、ときにはわけのわからない武術の神様だの日の丸の旗だのに正座して「礼」。
そもそも私は膝に故障があって、正座できない。
先輩後輩という関係性における「礼儀」を強要されたり。
指導者を神格化したり。
門下生の技量や経験度で序列をつけたり。
その最たるものが、段位許認可制度だろう。
韓氏意拳にはそういうものが一切ない。
そこがびっくりするもすがすがしいところだ。
私のような社会行動不適応な者にとって、こんなにありがたいことはない。
ただひたすら、自分自身のこととして稽古を深めていく。
そこに寄り添ってくれる指導者の存在は、この上なくありがたい。
さて、一昨日は、いつもの中野の新井区民活動センターまで、初稽古に行ってきた。
正月休み明けの、実家の大雪かきで筋肉痛を抱えたちょっとゆるんだ身体でぼけーっと参加したら、いきなり稽古の難易度があがっていてガツンときた。
会員向けの講習会ということもあったのかもしれないが、体認や状態への集注などに高い要求があり、いやがおうでも自分の身体へと感覚を深く進入させていく必要があった。
仮手という、道具を使った稽古もあったのだが、それも状態の集注と深い体認があってはじめて生きてくること。
あらためて型や式をつうじて自分本来の身体の深さ、ポテンシャルにアクセスしていく稽古の大切さとおもしろさを体感できて、大変充実した初稽古となった(疲れたけど)。
※世田谷の古民家「羽根木の家」での韓氏意拳講習会を1月12日(月/成人の日)に開催します。詳細はこちらへ。