以来、あまり会う機会はなかったのだが、深川の〈そら庵〉や渋谷や、彼の地元の千葉のほうで活発に朗読の会をやっているのを聞いていた。
また、マイナビというサイトで生き物ブログを連載しているのも知っていて、たまに読んでいた。
最近フェイブックでつながって、さらに先月のポエトリースラム・ジャパンで再開したこともあって、なんとなくまとめて彼の書いているものを読んでみた。
ブログはKindleで電子書籍になっていて、何冊か読める。
つい昨日だか今日だかにリリースされたのが、表題の書籍で、さっそくKindleから購入して、さきほど読みおえた。
大島くんの書いているものには、一貫して小さな生き物たちへの愛と、人の経済効率優先主義的ないとなみのなかで彼らが消えていくことにたいする悲しみ、そしてときに怒りが、しずかにこめられている。
楽しく読めると同時に、私たちがいま、まさにこの瞬間、かんがえなければならないことがたくさんあることに気づかされる。
この本に書かれているのは、まさに里山から消えつつある小さな生き物たちのことだが、きっと読んで驚く人が多いのではないかと思う。
今年からニホンミツバチを飼いはじめた私にはさまざまな情報が耳にはいるようになってきているが、一般人には思いもよらないようなことが進行している。
たとえば、この本にはこういう種類の生き物が消えつつあると書かれている。
アカハライモリ
マムシ
赤とんぼ(アキアカネ)
イシガメ
スズメ
クツワムシ
メダカ
ホタル
植物ではキキョウなども絶滅の危機に瀕しているとある。
引用する。
「日本の里山からは小さな生き物、かつては身近だった生き物の姿が日ごとに消え続けています。里山とは、この国の先人たちが深い叡智とともに維持・管理を続けてきた、まさしく日本が世界に誇るべき生態系モデルです。そこに生きる動植物たちがいなくなってゆくということは、間違いなく、この国の農林水産業の行く末とも深くかかわっています」
「このような生き物たちがそこに存在していたという事実、そしてそれは私たちの人生とも関係があるのだという事実について知って欲しいがために、この本を書きました」
大島くんはこの本のほかにも『愛すべき里山の生き物たち』という電子書籍を第4集までリリースしている。
アマゾンで「大島健夫」で検索してみてほしい。
また、大島くんのブログサイトはこちら。