2015年6月24日水曜日

過剰なものやできごと、情報にあふれる現代社会において、ときに私たちは多くのことを見すごしてしまう

2015年5月20日、キッド・アイラック・アート・ホールのギャラリースペースでおこなった「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演の当日パンフに書いたことを、こちらにも公開します。

次回の「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演はあさって・6月26日(金)夜です。
くわしくはこちらをご覧ください。

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 先日、ベトナム出身の禅師で、フランスで〈プラム・ビレッジ〉というサンガ(僧坊)を主宰しているティク・ナット・ハンのお弟子さんたちが来日していた。彼らと、聖路加病院・聖路加国際大学の精神科のスタッフが共同でおこなった「マインドフルネス瞑想の会」に参加してきた。
 ティク・ナット・ハンのマインドフルネスという、仏教(禅)由来ではあるけれどとても平易にこなれたかんがえかたに触れたのは、2005年のことだったと記憶している。NHKラジオの番組でティク・ナット・ハンという人のことを知り、『禅的生活のすすめ』という本を取りよせて読んだのが最初だった。
 マインドフルネスということばこそ知らなかったが、「いまここにある自分自身とまわりのことに気づきつづけている状態」が大切であることは、それ以前にポーリン・オリヴェロスのソニック・メディテーションの手法に触れ、私自身もディープ・リスニングというワークをおこなっていたことで実感していた。
 ディープ・リスニングは最近、音楽瞑想と称しておこなうようになったが、昨今の瞑想ブームに乗っかったように思われるのはちょっと心外である。
 いずれにしても、即興演奏による誘導瞑想はだれにでもここちよく体験することができるし、体験を重ねれば感覚体としての自分の存在自体のあらたな深みに気づいていくことができると思う。私はこの方法を自分自身の人生のクオリティを高める方法として大事にしていきたいと同時に、みなさんにも体験を共有し、ともに高めあっていければ幸いだと思っている。