2010年2月19日金曜日

さよなら。いつかわかること

 静かな悲しみに包まれた、美しい反戦映画。
 観ている途中、何度も涙をとめることができなかった。
 12歳と8歳の娘がいるアメリカの4人家族。ところが妻は兵士で出征中。アメリカの兵士の14パーセントは女性である。なので、決して特殊な状況ではない。
 その妻の戦死の報を受け、呆然とする主人公。この夫役を、ジョン・キューザックが非常に繊細に演じている。
 パパは娘たちにママの死を告げられないまま、ふたりを連れて遊園地に向けて旅に出る。一種のロードムービーっぽいテイストもある。
 長女役のシェラン・オキーフという子役の演技もすばらしい。

 また、映像に寄り添うようにしてある静かな音楽も美しい。いかにも「プロ」の音楽家が作りました、というテクニカルな匂いがなく、いいかたを変えればむしろ素人っぽいともいえるのだが、素朴であり、共感的であり、嫌みがない。だれが音楽を作っているのかとわからないまま、最後まで観て、クレジットを見て驚いた。なんと、あのクリント・イーストウッドが音楽を担当している。びっくりした。