2010年2月24日水曜日

ゴースト・ライト

 原題は「Half Light(薄明)」という映画。「ゴースト/ニューヨークの幻」で売れたデミ・ムーア主演なので、あやかろうとこんな邦題にしたのでしょうな。
 それにしても、冒頭から音楽がすばらしい。音楽はブレット・ローゼンバーグ。監督はクレイグ・ローゼンバーグ。どういう関係なんでしょ。もし知っている方がいたら、一報を。
 そして、映像も美しい。
 幼い息子を過失から失ってしまった女性作家が、野望のある夫とも別れを決意し、ひとりやってきたスコットランドの静かな海岸の家。ところが、そこでさまざまな心霊現象とも思えることが起きるのは、彼女の心の病からなのか、あるいは本当に心霊現象なのか、それともなにかの陰謀なのか。
 錯綜したストーリーや、意味ありげな伏線は、見ているものをドキドキさせるが、それがかえって邪魔に感じたのは私だけだろうか。風景、自然の音、音楽、それらだけでも、味わうに心地いい感触に満ちているのに、濡れ場とかいらないっしょ?

 音の感触、風景の手触り、人の静かなたたずまい、静謐な祈り。そういうものだけで作られた音楽とか映画とか舞台とか、見てみたい(作ってみたい)と思う。