初の試みだった。
四組の親子が参加してくれたのだが、子どもは全員、小学校低学年。一年生と二年生。
子どものための護身術としてのコミュニケーションスキルを練習してみる、という目的があって、アイディアはいろいろあったのだが、なにしろ2時間という限られた時間だったので、いくつかに限定してやらせてもらった。
まずは感情を振りかえってみるワーク。
親も子もいっしょに、最近とっても楽しかったことと、最近ちょっと辛かったことを思いだしてもらい、それを絵でも文章でもいいので表現してもらう。
子どもたちはホワイトボードに絵を描いたり、ノートに描いたりと、のびのび。
表現してもらったあとは、そのことについてちょっと説明してもらって、私は共感を試みる。
子どもは大人にくらべれば自分を表現するための語彙が少ないので、こちらからのちょっとした手助けがあると自分につながりやすくなる。
大人にたいしては、いつも共感カフェでおこなっているような自己共感のお手伝い。
後半は自分と、物語の登場人物の感情を推理する練習。
朗読家の野々宮卯妙がサポート参加してくれていたので、彼女に宮沢賢治の「車」という話を読んでもらう。
これは私も読んだことがない物語だったのだが、なかなか興味深い小説だった。
そして感情についても意外な展開があって、ワークにはぴったりだった。
お話を聞いたあとの自分の感情を、カードを使って拾ったり、物語のなかの登場人物の感情をみんなで推測してみたりした。
「車」の最後には主人公の気持ちが叙述されているのだが、それがなかなか意外なもので、みんなびっくり。
そして重要なのは、おなじ物語を読んでも、そして推測しても、みんなそれぞれ違う感情があるし、自分でも想像もつかない気持ちが人にはあるということ。
共感的コミュニケーションでは、人の感情に影響を受けることなく、自分は自分のニーズにつながっていきいきしていることを目指す。
相手の感情は、それがどんなに強い現れかたをしていたとしても、相手のニーズがその根っこにあるのであって、自分とは切りはなしておく必要がある。
その練習までは踏みこめなかったかもしれないが、もしこのワークを継続的にやるとしたらどちらに向かえばいいのか、明確にできてありがたかった。
参加してくれたみなさん、子どもたち、そして世話人の小浜さん、ありがとうございました。
近いうちにチャンスを見つけて、このつづきをぜひやりましょうね。