監督はニール・バーガー。
私にはほとんど無名だけど、ほかには「ダイバージェント」を手がけている。
主演のブラッドリー・クーパーも、私にとっては見たことはある、という程度。
アカデミー賞に何度かノミネートされているらしいけど。
この映画、あらすじを読んで気になってはいたんだけど、ずっとスルーしていて、このまま自分ではまず観ることにはならなかったかもしれない。
が、最近、バカ映画や連続ドラマ情報を交換しあっている友だちの安納献から「これおもしろいよ」とすすめられて、ちょうどふたりとも時間があったのでいっしょに観てみた。
ある非合法の薬物によって、ふだんは脳の20パーセントしか使われていない人の脳が、活性化して、超アタマのいい人になってしまう、という話。
そもそも、脳が20パーセントしか使われていないなんて説は、完全な似非科学というか、ヨタ話なんだけど、まあそういうことを信じている人が多いので、この映画の前提としてのアイディアが成立しているという、まあバカ映画なんです。
そういうつもりで観たんだけど、映画自体はそこそこ楽しめた。
まったくダメダメの作家志望の男が、偶然、その薬物を手にいれることによって、いきなり超アタマのいい人になり、本は書きあげるわ、金融業界に彗星のごとくおどり出るわ、女にはモテまくりはじめるわ、しかしそのおかげでトラブルに巻きこまれていき、闇の世界と関わってシビアな状況に追いつめられていく、という、サスペンス映画としてはまずまずよくできている。
オスカーノミネート俳優だけあって、演技は安定していて、はらはらドキドキのストーリーを楽しませてくれる。
とくにダメ人間と、超アタマいい男の切り替えがおもしろく、エンタテインメントとしてそう悪くない仕上がりに貢献している。
そうそう、書きわすれるところだった。
この映画には重要な役どころとしてロバート・デ・ニーロも出演しているのだった。