2013年6月11日火曜日

もうすぐライブワークショップ第14期

私が朗読者とのライブセッションを初めておこなったのは、1985年のことだった。
じつに28年前のことだびっくり。
名古屋在住の俳優で朗読者の榊原忠美と、福井の〈松木屋〉という楽器屋の上にあったミニホールというかレンタルスペースのようなところで、即興セッションをおこなったのがこの始まりだ。
私はピアノを弾いた。

その後、このユニットは造形作家や演奏家をゲストに迎えたり迎えなかったして、福井、名古屋、金沢、岐阜、豊橋、大阪、東京など、さまざまな場所でさまざまなことをやってきて、いまにいたる←現在進行形。

いろいろ経緯はあるのだが、2006年に現代朗読協会設立。
コンテンポラリー表現としての朗読を研究・発表する場が本格的にスタートした。
なかでも力をいれたのが、朗読は音楽やダンスと同様の「ライブ表現」であろう、そしてそれは人と人のあいだに起こること、すなわちコミュニケーションの一形態に違いなかろう、というかんがえのもとでの研究だった。
そして「朗読はライブだ!」という名称のワークショップが5年前にスタートした。

途中、やり方が変わったりしたこともあるが、基本的に週に1回3時間のワークショップを6回、それで完結して、最後は実際にお客さんを読んで朗読ライブを開催する、という形に落ちついた。
最初はたった6回でまったく朗読をやったことがない人や、ステージに立った経験のない人が、ひと前でライブ公演などやれるようになるのだろうか、という危惧があったし、それは私だけでなく参加する人もそうだったろうと思う。
実際には杞憂だった。

これまで13回開催してきたが、どのライブも印象深い。
初期のころは、豪徳寺にあった地下音楽スタジオで開催したり、幡ヶ谷の〈アスピア〉というレンタルスペースを借りたりしていた。
その後、げろきょの活動拠点が〈羽根木の家〉に移り、そこの座敷でもライブをやるようになった。
そして去年からは、明大前の〈キッド・アイラック・アート・ホール〉で最終公演を挙行するようになった。
去年の夏、暮れ、そして今年の4月と開催し、次は7月27日を予定している。

キッド・ホールでやるようになってから、公演はワークショップメンバーだけでなく、ゼミ生たちも加わって、いわばげろきょ公式公演としておこなうようになった。
ワークショップメンバーもゼミ生も一体となって朗読パフォーマンスを作りあげ、またお客さんとも一体となってライブ公演をおこなう。
非常に熱い表現の場が毎回あらわれる。
日本で唯一(ひょっとすると世界でも唯一?)、コンテンポラリー朗読表現が目撃できる場であり、それは毎回だれも見たこともないものだ。
私たち自身ですら見たことがないし、なにが起こるか予測できない。

まったく表現活動をしたことがない方も歓迎だ。
人は生きていく以上、かならずなんらかの形で表現したり、コミュニケートしている。
そのことの本質と、未知の自分自身のことを、この「朗読はライブだ!」ワークショップで発見できるだろう。
ただし、自分自身を変えたくない、このままで満足している、という方は参加をご遠慮いただきたい。

「朗読はライブだ!」ワークショップの詳細はこちら