2012年1月25日水曜日

朗読者と音楽家的感受性の関係

photo credit: Noukka Signe via photopin cc

朗読は音声表現であり、音楽と同等の音声・音響に対する感受性が有効だと思っている。
音楽家がそうであるように、朗読においても表現のクォリティをあげるには、音に対する感受性を磨くことが重要だ。
では、音に対する感受性とはどのようなものだろう。
音の4要素というものをご存知だろうか。
「音高」「音強」「音質」「リズム」
これらはそれぞれ、音程、強弱、声質や音色、間合いやスピードと言いかえることができる。
これらの要素についての繊細な感受性を持つことで、朗読も表現のクォリティをあげることができる。が、一般的な朗読表現の考え方に音楽と同等の音声表現の精度を持ちこむことは少ない。
現代朗読では朗読表現にも音楽と同等の繊細で精度の高い感受性を用いたいと考えている。そのために、上記のような音の要素のそれぞれについて、感受性の精度をあげるためのエチュードを用意し、各自トレーニングをおこなうようにしている。
朗読が音楽と響き合い、また朗読同士も音楽演奏家同士のように響き合うとき、そこにはたんなる言語伝達にとどまらない豊かな音声表現の世界が生まれる。