2017年9月5日火曜日

実家音読カフェと病院コンサート

前回の北陸実家帰省では、恒例の音読カフェと福井県立病院でのボランティアコンサートをおこなってきた。

音読カフェは昨年11月からスタートしたもので、毎回4、5人の常連さんと、たまに新規参加の方も来ていただいている。
音読療法と共感的コミュニケーションをベースにした心身の健康法と語らいの場だ。
毎回、まずお互いの近況報告をしてから、音読療法の呼吸法、発声、音読エチュードでちょっとした体操くらいの音読運動をやっている。
そう、音読というのは運動なのだ。
そして、部分ではなく、全体を意識するための運動として、とても利用価値がある。
なにより、知的好奇心も刺激されるのが、ご年配の方々にも支持されている。

今回は夏目漱石の『吾輩は猫である』の冒頭部分を音読エチュードに用いた。
普通に読む、交代で読む、ずらして読む、お経のように息継ぎやイントネーションなしにフラットに読む、動きながら読む、さまざまなエチュードが音読療法にはあるが、いずれもやればやるだけ心身への気づきが増し、どんどん「活態」になっていくという特徴がある。
音読って簡単なのにすごいんだぜー。

ひと段落ついたら、お茶とお茶菓子をいただきながら、みなさんとお話。
うれしかったこととか、気がかりなことを、お互いに共感的に話したり聞いたりする。
この時間がまたみなさん、楽しそうなんだなあ。
月に一回の楽しみのようになっているらしい。
週に一回でもいいよね、きっと。
私がいなくてもやってくれるといいんだけど。
だれか音読トレーナーがひとりいればいいのだ。

参加費はひとり千円いただいているが、それはこちらの経費・収益となる。
それでもってささやかながら継続性を確保できればいい。
音読カフェが全国に広がっていくことを、私は望んでいる。

一方、こちらは完全なボランティア活動だが、恒例となった福井県立病院でのピアノコンサートもおこなってきた。
こちらは2013年から足掛け5年の継続的イベントとなった。
季節の日本の童謡や唱歌、世界の民謡やスタンダードナンバー、そして私のオリジナルナンバーなども交え、あらかじめ準備されてはいない即興アレンジで進行するソロピアノコンサートで、演奏家である私にとっても大切な機会となっている。
数か月に一度というチャンスではあるが、振り返ってみればこのコンサートがあることがピアニストとしての私にとってはひとつのアクセントになっている。
5年前の演奏と比べると、現在の演奏はずいぶん違う感じがするだろう。

このところ、毎回かならず日程を確認してわざわざ聴きに来てくれる方が何人かいらして、今回もそのみなさんにお目にかかれてうれしかった。
毎回、お会いするたびにありがたく、終わるたびに別れがたいような名残惜しさに包まれる。

次回は病院側の都合で、3か月後ではなく、2か月後の10月におこなうことが決まった。
10月17日(火)午後1時半から、福井県立病院にて。
お近くの方はご都合つけてぜひいらしてください。

呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を学び、身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。9月16日(土)10時からJR国立駅徒歩5分の会場にて開催。