2016年6月3日金曜日

映画:2012

2009年公開のアメリカ映画。
制作費、約220億円。
監督はローランド・エメリッヒ。

エメリッヒといえば、いわずと知れた巨額予算バカSFハリウッド映画の巨匠ですね。
「インディペンデンス・デイ」をはじめ、「デイ・アフター・トゥモロー」「ホワイトハウス・ダウン」などが有名だけど、私は1994年の「スターゲイト」なんか割と楽しめた記憶があります。
好きだったかも(過去形)。

ところで、よく、
「そういうバカ映画、いつ見てるんですか」
という質問を受けることがあります。
暗に「そんな暇どこにあるの?」とか「もうちょっと生産的なことすればいいのに」というメッセージを感じないでもないけれど、まじめに答えると、バカ映画を見るのは夜です。
私は早い時間から仕事をはじめて、日中にはあがってしまいたいのです。
夜にゼミや講座やライブ、人と会う予定がないときは、安物のウイスキーをちびちびやりながらおもむろにバカ映画をひもとくのです。

この「2012」はマヤ暦がこの世の終末を予言していることにもとづいて作られたストーリーで、太陽活動の異常な活性化によって地球の核が変動をきたし、マントルが急激な大移動を始める、という設定になっています。
設定はなかなかうまいですね。
でもバカですね。
だって、2016年現在、世界はまだ滅亡してません。

この映画の最大の見所はストーリーでも役者でもなく、街や風景の大破壊シーンでしょう。
巨大津波シーンも出てくるので、要注意です。
巨大といっても、10メートル20メートルとかいう程度のものではなく、1000メートルとか1500メートルという規模のなので非現実的なんですが、そこはCGでかなりリアルに処理されています。
海や波や地割れや地滑りといった自然災害が怖い人は、かなり覚悟して見たほうがいいですね。
人もガンガン死にます。
それも億単位で。

ストーリーはまあ陳腐なもので、たぶん人類が何十億人も死ぬ一方で、箱舟の故障をなおすたったひとりの男の命に一喜一憂するという、そのバランスはどうなのよというツッコミどころ満載です。
この規模の災害はともかく、しかし我々人間はいつどのような想定をこえる自然災害に見舞われるかわからない運命を生きているわけであって、そういう覚悟の上で日々どういうふうに生きるのか、ということをかんがえさせられないことはないかもしれない、そうでも書いておかないとおれの時間を返せ的なこの虚脱感はどうすればいいのよ、という、まわりくどくとってつけたような感じでこのレビューの筆を置きたいと思います(筆は使ってないけど)。

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