2014年4月10日木曜日

故郷の桜並木、群読の稽古

帰省していた昨日。
未明の真っ暗な空を見たら、明けの明星が光っていた。
北陸はまだ田植え前だが、麦は育ちはじめて青々している。
しかし、私の子どものころは、このあたりで麦を作っていた記憶はまったくない。

実家のある町には、県内でも有名な桜並木である「弁天桜」というものがある。
河原の堤防に数キロに渡って桜が植えられていて、私の子どものころからすでにあるのでかなりの古木になっているのだが、それをさらに延長して端のほうはまだ若い桜が植えられている。
並木のあいだには地元の商工会やら商店街やら会社やらの看板とか提灯がぶらさがっていて、ちょっと昭和の香りを残していて好きな人には好きかもしれない。

かなり幅広の河には、両岸にロープを張り、そこに各家庭でいらなくなった鯉のぼりをたくさんつないで、大量に泳がせている。
春先の桜の淡い色と、本来初夏のものであるくっきりした鯉のぼりの色あいが、かなりのコントラストを作りだしている。
堤防の脇には街をあげて町おこしのために盛りあげている恐竜の、けばけばしい配色の巨大なレプリカが建てられている。
私の4歳下の妹が生まれるとき、この桜並木の下を父に手を引かれて堤防脇にあった病院まで母親の見舞いに行った思い出がある。
ずいぶん河も堤防も街も山も、ふるさとの感じは変わってしまった。
東京にもどる。
東京はずいぶん暖かくなって、というよりすっかり暑くなって、上着はいらない。
夜は4月22日(火)夜に渋谷〈サラヴァ東京〉でおこなうライブの稽古。
ゼミ生たちによる群読の稽古。
テキストはまだ全部書きあがっていないが、群読部分はすでにテキストがあるので、全体の演出をかんがえる。
朗読としてはかなり難しい演出案になったが、ゼミ生たちならきっと集中してやってくれるだろう。