2017年3月28日火曜日

デフォルトモードからプレゼンスモードへ

こんなことはめったにないんですが、昨夜、夢を見ていて、それがあまりに鮮明だったので、目をさましてすぐにiPadにメモを取りました。
私がいまやっているワークのほとんどが「自分につながる」ということをキーワードにしているんですが、それらがうまく統合されたメモを書いている夢を見たのです。
きっと無意識下で脳が仕事をしてくれたんでしょう。

図を見てください。

まず大きな円と小さな円の同心円が描かれています。
外側の円は自分の身体をあらわしています。
内側の円は自分の内面をあらわしています。

マインドフルネスということばで表現される「いまここ」の自分や周囲に、評価や判断なく気づきつづける状態にはいったとき、自分の身体は「活体《かったい》」になります。
武術でいうところの「死に体《たい》」の反対語としての「活体」ですね。
武術的にはもうすこし――いやもっとかなり緊密な状態としての「活体」が要求されるんですが、現代社会における日常生活ではそこまでは必要ありません。

自分が「活体」になると、自分の周囲の状況――自分の外側からやってくるさまざまな情報――に気づき、同時に自分自身の身体や状態にも気づいています。
これを「マインドフルネス」といったり、「気づきのある状態」といったり、「フロー」ということもあったり、さまざまな表現があります。

いずれの表現をとるにしても、そのときおのずと、いまこの瞬間に自分が必要としていること――ニーズや価値観、大事にしていることにも気づきます。
それに気づいたとき、自然に「意」が生じます。

「意」というのは、簡単にいえば「こっち」という感覚であり、自分がどちらに行けばいいのか、必要としていることを得られる方向や行動をしめすベクトルのようなものです。
これは頭でかんがえて得られるものではなく、おのずから発生するものです。
思考によって得られた「行動」や「手段」は、武術でいえばすでに「後手」であり、おのずと発生する「意」よりだいぶ遅れをとっています。

わかりやすくいえば、思考はのろく、ときには「捏造」を産むということです。
人はしばしば自分に嘘をつきますし、また「思いこみ」も多分にあります。
捏造や嘘、思いこみから自由になるには、緻密に自分の身体につながり、そこから生じる「意」に目を向ける必要があるのです。

やっかいなのは、大脳皮質を発達させた人間は、ほうっておくとのろのろとした思考モードに埋没していき、つまらないことをぐるぐる反芻してかんがえてしまう習性を持っている、ということです。
これを脳のデフォルトモードといいます。
脳にはこれをやってしまうデフォルトモード・ネットワークという神経系の働きがあります。

私たちが「活体」になるには、デフォルトモードから(これは私の造語かもしれませんが)「プレゼンスモード」にシフトする必要があります。
さいわいなことに、これは適切な練習によって可能である、だれにでもできることだ、ということです。

私といっしょに練習しましょう。
私も日々、練習しています。
なにか疑問や気づいたことがあれば、私に教えてくださいね。
この五月の連休には、そのための練習をさまざまな角度からおこなう連続講座を開催しますので、都合のつく方は参加してみてください。

連休に自分とつながる五日間連続講座(5.3-7)
不安定で行き詰った時代を乗りきるために自分とつながり、見失わず、安定しながら、あなた本来の活力を発揮することをめざすためのヒントを探すための講座です。単発参加も可。