あなたは一日でどのくらいの文章を打っていますか?
私のように文章を書くことを仕事にしていたり、いわゆるブロガーのようなネットで文章を配信している人は別にしても、ごく普通の人が毎日、大量の文章を打っているのが、現代のネット社会です。
ちょっとかんがえてみてください。
LINEやメッセージ、メールなどで、日常的に「テキストで」たくさんやりとりしています。
フェイスブックやツイッターなどのSNSでも、コメントを書いたり、あるいは自分でもちょっとしたことをつぶやいたり書いたりしています。
イベントを主催するとまでいわなくても、なにかの集まりを開いたり、仲間うちの食事会やパーティーを呼びかけたり、告知したりするときも、テキストを書きます。
みなさん、毎日どれくらいの文字数を書いているのか、ちょっと振りかえってみるとおもしろいと思います。
そんな環境にいながら、私たちはとくにテキストコミュニケーションについて練習したり、訓練を受けているわけではありません。
だからなのかどうかはわかりませんが、メールやメッセージのやりとりで誤解が生まれたり、すれ違ったり、トラブルに見舞われた経験がある人が多いのではないでしょうか。
「これを伝えたい」と思って書いたのに、まったく伝わらなかったり、まちがって受け取られたりすることが頻発します。
人を楽しませようと思って書いたものが、誤解を生んだり、相手の傷を刺激したりして、思わぬトラブルに発展することもあります。
私がおこなっているテキストライティングのワークショップは、そのようなトラブルを回避するための方法を伝えるものではありませんが、すくなくとも自分につながって自分らしいことばや自分らしさに向かうことで、自分の外側のなにかを恐れることなくいきいきと表現する方法を、共感的なスキルとともに学びます。
毎回、参加者のニーズに応じたさまざまなアプローチを用いていますが、先日おこなったワークショップではまず、ロラン・バルトがいうところの「零度のエクリチュール」による「自分自身からもっとも遠い場所にある社会的共通言語としての冷たい文章」を書く練習からはじまって、自分の内側にむかっていく文章表現の練習をみんなで試みてみました。
これが楽しいのです。
自分のなかからどのようなことばがつむぎ出されてくるのかも楽しいですし、参加者それぞれがどんな表現を出してくるのかもおもしろいのです。
ワークが進むにつれ、みなさんのオリジナリティがどんどん噴出してきて、つまり文章力が見るみる上がっていくことにも驚きます。
すべての人が自分らしく、恐れや変なこだわりなく、のびのびと自分を文章で表現し、伝えていけるようになるといいなと、私はこのワークショップで願っています。
次回の「自分とつながるテキストライティング・ワークショップ」は、4月8日(土)に国立で開催します。
詳細と申し込みはこちらから。