2012年8月20日月曜日

現代朗読基礎講座第一回の音声記録を文字起こししたもの

げろきょのゼミ生のひとりが、現代朗読基礎講座の第一回の音声記録を文字起こししてくれた。
で、自己紹介とか雑談とかやりとりの部分は起こさなくていいよっていったんだけど、すでに作業を始めていて、最初のほうは全部まじめに起こしてくれていた。
せっかくなので、多少手を入れたものを少しだけ紹介したいと思う。
こんな雰囲気でやっている、ということで。

(自己紹介をかねて基礎講座に参加したきっかけや自分の背景について簡単に、というお願いからスタート。水城は「水」と表記)

A:自分が朗読する人として朗読者として、どういう個性とか特徴とかを持っているかってことを自分の中で整理して自分を観察したいと思いました。これはこの基礎講座を受けるときに心がけていこうと思うことです。

水:基礎講座では現代朗読の考え方をみなさんに「あまねく伝えたい」っていう私のニーズがあるんですよ。で、できれば基礎講座をやれる人を育てていきたいなっていう。

A:講師をってことですか?

水:現代朗読の方法が少しずつ世間に認知され始めてて、「朗読ってこんなに楽しいんだ」って思っていただけることがどんどん増えてきてます。特に東京以外に地方からやって来る人が増えてきてるんですよ。地方はやっぱり人口が少ないってこともあって、朗読教室とかあると「その方法しかない」みたいなことになります。東京はまだ色々ありますよね? 朗読といってもいろんな形式でやってる人がいるんですけど、地方はそういう事が起きにくくて。で、地方に行ったり、地方の人が来てやったりするとすごい喜んでくれるんですよ。そういう地方なんかにも講師を派遣していけたらなぁと思ってるんですけど、私一人じゃ手に負えないんで、どうですかね?(笑)

A:そうですね。ゆくゆくは(笑)。ずっと自己流だったんで、自己じゃない物を取り入れようと……ちょっと一発自分をよーく知ろうと

B:こちらの現代朗読協会に六月から入会しまして、先日あった公演にも出演させていただきました。今回……たぶん基礎って名前がついてますけど、この講座は多分普段やってるゼミとそんなに変わらないことをやっているんだろうなと気持ちでいるので、だから、普段週一回ゼミの方に行ってるんですけど、まぁ回数が増えるからより羞恥心とか抜けるかなって気持ちできました。よろしくお願いします。

水:普段のゼミとは違うよぉ(笑)

B:え? ちゃんと六回完結型なんですか?

水:もちろんですよ。ビシバシやりますよ(笑)

B:なんか滑舌の練習とかですか?

水:もちろんですよ(笑)

D:えーっとゼミってビシバシじゃないんですか?

水:ユルユルですね(笑)

G:ゼミの時間帯にもよるような気がする…

水:時間帯にもよるよね。そうね、集まる人によってね。現代朗読協会全体がそうなんですけど、特にゼミは皆さん一人一人のニーズを大事にしようってことで、その人のやりたいこととか大事にしてることを皆さんでお互いに共有しながら進めていくって形をとってて、ここでも実はそういうふうにやっていきたいと思ってます。でも、一応基礎講座なんで、なんとなくあるのよ、これとこれはやりたいというのが。滑舌も含めてね。

B:滑舌苦手(笑)

水:滑舌苦手なんだ? でも楽しいよ。滑舌の練習。自分の体を知るという練習ですからね。

C:はい。○○と申します。唯一男性になりました。前回もそうだったんですね

水:前回もそうでしたっけ? 前回のライブ?

C:ライブワークショップの6回シリーズでしたっけ(あの時は冬だったと思います)に参加をしまして、で、朗読ってホントに面白いものだなっていうふうにそこで目覚めたというか、次も参加したいと思っていて、確か5月にあの、またライブワークショップのなんかあったんですけど、それが確か土曜日でほとんど仕事が入っていたので、申込みますよと言いながら申し込めなかったということがあって、次の機会がないかな、と思っていたらちょうどこの講座があるのでぜひ参加しようという形で申し込んだっていうことです。えーとあとは自己紹介的には、前回のワークショップでも申しましたけど、福岡の出身で東京に住んで七年目、単身赴任でこちらに来てまして
ちなみに、今日家族がこちらに遊びに来るんですけど(笑)

水:あーそうですかー

C:息子だけ置いて娘と嫁さんとふたりで花火大会に

水:え? どこ?

C:東京の花火大会で、晴海の。

水:すごい人じゃない?

C:ただなんか今日雨みたいですね。中止になったらヤバイって。今勝どきに住んでますので……

D:近い!

C:すごい反応ですね(笑)

D:目の前で見られるじゃないかって! わざわざ見に行かなくても。

C:そうですね。まぁマンションからは見えないですけど、ちょっと歩けば見れる。今日は楽しいことがふたつあって、これと、家族が来るというので、まぁ仕事でストレスが溜まる日々を送ってますので(笑)。この場は非常に癒される場というか、安心できる場というところがあってホントはゼミ生になりたいなって思うんですけど、なかなかそのゼミに参加できる時間が取れないなってところもあってですね。できる限り接点をもちたいなってところがあってやってます。あの時冬だったんでここ締め切ってたんですけど、こういう感じもすごくいいですね。網戸があって、自然の風が入ってきて。オヤジの田舎の家がこんな感じだったんでなんか少し懐かしいなっていうこの空間を味わうために来てるという感じです。よろしくお願いします。

水:ライブワークショップのライブ発表は、Cさんたちがやったときはここでやったんですけど、こないだは明大前のホール借りてやったんですよね。ちょっと大掛かりに。ゼミ生も一緒に出てすごい賑やかなライブでしたよ。

E:わたしは今年の三月にこちらの朗読体験教室で初めて参加させていただきまして、ボイスセラピストというそちらの方の講座も取らせていただきました。その時に音読、文を読んだりするのもやるので、本を読むのも触れていきたいなというのもあって、その機会にゼミ生にもなったのでいろいろとこちらの方に参加させていただきたいと思いまして本日来ました。あとはちょっと最近思ったんですけど、心が硬いというか、感動することがなくなってきたなってちょっと毎日の生活で思うようになって、もうちょっと心を柔らかくというか、なんか十代の時もっと色んなことを感じてたかなって思って、そういう心もちょっと……感情豊かにしたいなと思っています。
よろしくお願いします。

水:感情豊かになりたい。なかなか難しいテーマですね。

E:はい。なんかあんまり感動のアレがないなって、テレビとか見ててもこんなに人が感動してる時にそんなに感動することってあるかなって、ちょっと思っちゃって。

水:感動するってのはどういうことでしょうね? 人はどういうときに感動するんでしょうね?

E:そうですね……なんかホントにホントに嬉しいなんかこう何も考えずに嬉しいと思ったりとか、悲しいとか何も思わずにその感情が沸き起こるっていうか……そういう時なのかなぁ?

水:人がなにか感情が出てくる、嬉しい、感動する、楽しい、あるいは、悲しい、辛い、苦しい、どんな感情でも必ずその人がなにを大事にしているかってことのその部分から来るんですね。ニーズって言いますけど。まぁおいおいやっていきましょう。これ結構大事なことなんで。その自分の感情とニーズってもの、自分の中にあるそれを丁寧に扱っていくことで非常に感受性が豊かになってくる。英語で言うとempathyっていうんですけど、自分を大事にすること、自分に共感をしていくってことが大人になるとだんだん無視するようになってくるんですね。自分の感情を無視するっていう習慣ができてくるんですね。そうすると自分のニーズ、自分を大事にしない。すごい疲れてる、すごい今やる気がないのに無理やり仕事行かなきゃって無理やり行ったり、会いたくない人にあったりやりたくないことを無理やりやっていったり、ホントはこれやりたいって思ってるのに、今はやめとこうこれ片付けなきゃって思ったり。効率とか経済性とかそういうものを重視するように教育されていくわけですよね。社会の中で。自分の感情とか自分のニーズってものをどんどん蔑ろにするように習慣付けられていくと、大人になればなるほど感動とかそういうものは薄れていく。でも、それはもともと持ってるものなんでもう一回取り戻すことは別に難しくない。現代朗読では朗読するとき、常に自分の「今ここにいる感覚」ってことを大事にしてくんで、それはまさに自分のニーズを大事にしてくってことなんです。マインドフルになっていく。マインドフルって言葉何度も出てくると思いますけど、マインドフルになっていけば行くほどいろんなことに気づいたり、感動したりするようになりますから。子供の時はもうマインドフルですよ! 今ここっていう瞬間。だから何しても面白い。何しても……逆にいえば悲しいこともあるし。色んな感情が流れているんですね。我々だってホントはそうなんですよ。自分の心の中でいろんなことが起こってます。今この瞬間も嵐のようにいろんな感情が渦巻いてる。ただ、見ないふりをする習慣を身につけてしまっている。まぁおいおいやりましょう。

F:6月の体験で来て、すごい面白いなと思って、今回基礎講座始めさせていただこうと思いました。わたしは今普通にお勤めをしながら自主映画を作ってます。子供の頃から絵を書いたり漫画書いたりとかそういうのはすごい好きだったんですけど、映像の方とかはあんまりむしろやってなくて全然だったんですけどちょっときっかけがあって、普通に就職しちゃってからはそれこそ仕事はすごい忙しくって、何も感じなくなる日々の究極までちょっと行っちゃって、たぶんなんか一回ちょっと壊れちゃったりとか、そういうところまでいって、もうなんかいいやって気に逆になって。それで前の仕事もやめて、なんかそこをきっかけにして自分がさっき今まさにみずきさんがおっしゃったんですけど、私それからホントに自分のやりたいことしかできなくなっちゃって。それでお仕事も変わって、ほんとに自分のやってみたいことってなんだろう、と思ったときに「映像やってみたい」と思って、映像の学校に仕事しながら行ってたんですね。そこは卒業したんですけども、自分で脚本を書いたり監督をしたり、監督がメインなんですけど、仲間と一緒に学校の時のOB会みたいなのがあるんですけど、そこの仲間と一緒に自主映画を撮ってます。

(以下、略)