2012年4月22日日曜日

そら庵での合同ワークショップは楽しく充実していた

昨日4月21日の午後は深川のブックカフェ〈そら庵〉で、徳久ウイリアム&珠央さんによるセルフ足もみと呼吸・発声ワークと、われわれ現代朗読協会による現代朗読パフォーマンスの合同ワークショップだった。
これが大変楽しく、発見も多い充実した時間だった。

 11時半、そら庵入り。そら庵の最寄り駅は清澄白河で、羽根木からはずいぶん遠いように感じてしまうのだが、実際には渋谷から一本で行けるのでけっこうアクセスは楽。
 すでに徳久くんが来ていて、げろきょのゼミ生も次々と到着した。今回協力してもらったのは、祥子ちゃん、ピリカさん、なおこさん、照井くん、卯妙さん。
 軽く打ち合わせして、会場準備。そら庵の明子さんがカレーを出せるというので、それをいただいていたらもう開演時間の1時になり、参加の方々がやってきた。げろきょの体験講座やライブワークショップに参加したことがある人も何人か来てくれた。

すぐにワークショップが始まり、最初はまずフットセラピストの中村珠央さんによるセルフ足もみワーク。珠央さんから足つぼについての説明を受けたあと、自分で足つぼを押していく。珠央さんが参加者のあいだを順番に回って、的確にコツを教えてくれる。なかなか気持ちいい。身体が暖かくほぐれていくのがよくわかる。
 つづいて、ボイスパフォーマーの徳久ウイリアムくんによる呼吸と発声のワーク。これはげろきょでもやってもらったことがあるし、一緒にやったこともあるが、今回は倍音声明というチベット密教の発声法を教えてもらって、これがおもしろかった。

3時にいったん休憩。今回のワークショップはワンドリンク付きだったので、みなさんそれぞれ、思い思いの飲み物をいただいてくつろぐ。
 3時半からげろきょのワーク。
 最初に私が現代朗読について簡単に説明させてもらったあと、自己紹介のエチュードと輪唱群読のエチュードをやって、聴覚を中心とした感覚の解像度をあげてもらう。足もみと呼吸・発声のあとだったので、みなさん大変感覚が開いているようで、すぐに生き生きとしてくる。
 このあとはゼミ生に任せて、私はワークから離れる。やってもらったのは、新美南吉の短い童話をみなさんに渡してグループ分けし、それぞれのグループで朗読パフォーマンスを工夫して作りあげてもらうことだった。最初はおとなしく読み合わせをしていたが、そのうちすぐに身体が動きだし、どんどんアイディアも出てくるようだった。が、私は一切関わらなかった。これも今回の試みのひとつだった。

 5時くらいまでやってもらって、最後に各グループの発表。これが驚きの結果で、みんなも驚いたが、私が一番驚いた。すばらしくクオリティの高いパフォーマンスが短時間で完成し、そしてそれはなにかを「作り上げた」ものではなく、「いまここ」の皆さんの気持ちと身体性が刻々と現れる、まさに現代朗読のパフォーマンスとなっていた。なかには「アルゴリズム朗読」などというアイディアも生まれ、これはたぶん徳久くんの仕込みだったのだろうけれど、まったく新しい表現が出現したのにはびっくりした。
 私も参加したくて、もう一度皆さんに、ピアノ演奏つきでお願いした。私のピアノ演奏がはいり、それによって皆さんがそれぞれ反応して、また違った表現が生まれてきたのには、びっくりしつつ大変楽しかった。

 いったんお開きとなり、6時からは懇親会。そら庵側がいろいろと手作りで準備してくれて、とてもなごやかな懇親会となった。みなさんといろいろと話ができたほか、懇親会でもパフォーマンスが飛び出し、楽しかった。
珠央さんが卯妙さんの足つぼをマッサージしながら読んでもらう「足つぼ朗読」は、抱腹絶倒のおもしろさだった。そのとき読まれたのは芥川龍之介の「羅生門」だったが、かつてこの作品がこのように読まれたことはあっただろうか。

 楽しい一日が終わり、充実した気分でそら庵をあとにした。
 一見奇妙な組み合わせの合同ワークだが、やってみるととてもスムーズな流れと必然性があって、これはまた近いうちにやってみたいと、みんなで確認できた。問題はこの合同ワークをどうやって人々に告知するか、どうやって認知してもらうか、だろうな。説明がしにくいのなんのって。実際に受けてみてくださいおもしろいですから、としかいいようがない。