私のブログを訪問してくれる人の検索キーワードのなかで、もっとも多いもののひとつが「リップノイズ」とか「リップノイズ対策」だ。
一般の人は知らない言葉だろう。一種の業界用語だ。
「業界」というのは、放送業界や音楽業界のことで、リップノイズというのはナレーションなどマイク収録時における発音周辺のノイズのことだ。
「リップ」などとついているからといって唇から発するノイズだけをさすのではない。さまざまなタイプのリップノイズがある。そのあたりの分析については、去年書いたものがあるので、参照してほしい。
「マイク収録における声優や朗読者のリップノイズ対策(草稿)」
結果的にいえば、リップノイズには「これをすれば治る」というマニュアルは作りにくい、ということだ。
が、治せないことはない。どんな人もほぼ確実にリップノイズを取ることができる。ただし、その対処法はひとりひとり違う。
経験のある者が分析的かつ直感的に、マンツーマンで対処していくことで、確実にリップノイズは取ることができる。それはこれまでの私の経験でいえる。
アイ文庫主催の「次世代オーディオブックリーダー養成講座」や「プロのための音声表現スキルアップセミナー」では、リップノイズ対策を徹底的にやる。
なぜなら、リップノイズ対策は「口先」だけの対策ではなく、身体全体の問題であり、また表現する者の意識の問題でもあるからだ。リップノイズがなくなり、クリーンな発語ができるようになったとき、その話者は同時に別のものも確実に獲得しているはずだ。
「次世代オーディオブックリーダー養成講座」第七期
「プロのための音声表現スキルアップセミナー」二月