このタイトルで月に2回、定期的に書こうかな。
冗談半分、本気半分。
北陸の実家への毎月の帰省を、電車と飛行機から、車での移動に切り替えました。
実家の母が要介護者になったので、頻繁に、いつでも臨機応変に動けるようにして起きたいということです。
それがきっかけではあるんですが、なんとなくそのほかの「移動」についての自分の心持ちも変化しています。
「移動」というのは、自分の「居場所」が変わるということです。
どこにいても、ここが自分の居場所だと思える心持ちと、ここは自分の居場所ではない一時的な仮置きの足場だと思っているのとでは、人のありようはずいぶん違うと思います。
生まれ故郷があり、しっかりした学生の街・京都で学生時代と最初の社会人生活をすごし、また故郷に帰り、そしていまは友人の好意で東京国立に居心地のいい拠点を持てている私ですが、車移動へのシフトを機に我が身の「居場所」について、すこし突っこんでかんがえてみたくなっています。
というようなことは置いといて、ともあれ先日は車移動の初めての体験でした。
北陸の奥越前にある実家から、母がもう使うことはないだろう車を使って、東京国立へ自分でころがして移動しました。
それに先立って、まずは任意保険の加入。
身体文章塾の塾生で、いつも車で仕事に行ったり、日常的に運転しているふみさんに訊いたら、ネットで申し込める保険を教えてくれたので、さっそくそれで見積もりをとって、チャットや電話でサポートしてもらって加入。
店舗を持たず、その分人件費などの経費もあまりかかっていないので、保険料も安いんでしょうね。
かなり安くあがりました。
ふみさん、ありがとう。
車は日産の小型乗用車のノートという車種。
ハッチバックの5ドアなので、荷物もたっぷり積めます。
畑の野菜を積みこんで、午前10時前に出発。
まずは福井のオートバックスに行って、ETCの装置を取りつけてもらいました。
作業が混んでいて、終わったのは12時。
福井北インターから北陸道に乗って、一路滋賀県の長浜へ。
2年前に大阪で、窪田涼子と榊原忠美がおこなった朗読公演「袈裟と盛遠」で、すばらしい織物のインスタレーションを担当した京都在住の造形作家・中村えい子さんの個展を観に行きました。
大阪では私は音楽を担当したのでした。
会場に着くと、えい子さんがいらして、歓迎してくれました。
そして会場には、生き物のような不思議な織物――というか造形、というか、生成物というか、糸や布を使って産み出された作品が配置され、見る者は自然にその「胎内」に取りこまれるような形になります。
どのようにこの作品を産み出したのか話を聞くうち、私はこれらがえい子さんというニンゲンのDNAから複写された別の生き物のように見えてきました。
そうやってかんがえると、あらゆる表現は、その表現者のDNAのコピーなのかもしれません。
私の書く小説や、演奏する即興曲も、きっとそうですね。
2時半くらいまで中村えい子さんのインスタレーションのなかでゆっくりさせてもらってから、おいとまを告げ、ふたたび長浜インターから北陸道に乗りました。
南下し、米原ジャンクションで名神高速へ。
琵琶湖東岸は平野が広がり、北陸の山間部とはうってかわっておだやかな風景がつづきます。
起伏もなだらかで、平地の街なみにはソメイヨシノの淡いピンクいろがところどころこんもりと見え、丘陵の山腹にはヤマザクラの白が煙っています。
その白を包みこむように、萌黄色の春の芽吹きの雑木林が見えると、なぜかにやにやしてしまいます。
そのような景色は米原から関ヶ原を抜けるまでつづき、やがて濃尾平野へとはいっていきます。
しだいに車の量が増えます。
八割以上が貨物トラックです。
養老ジャンクションで東海環状自動車道と合流するとき、みじかい渋滞が置きましたが、やがて大垣、岐阜羽島、一宮を抜け、名古屋市街地を北にかすめて、一瞬東名高速に乗ったあと、すぐに小牧ジャンクションで中央道に乗りかえます。
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あとは高速道路にしてはカーブとトンネルの多い山中の道になります。
多治見、土岐、恵那、中津川とすぎ、やがて神坂の長いトンネルを抜けます。
長野にはいると飯田の大きな市街地を見ながら、南側に南アルプスの峻険な山嶺を見ながら進みます。
さすがに眠気をおぼえて、SAで休憩。
10分ほどの仮眠を取り、食事と飲み物を補給してから、飯田線にそって駒ヶ根、伊那、岡谷まで北上します。
岡谷ジャンクションでは長野道に接続しているんですが、そちらはパスして、今度は南下。
茅野、北杜、韮崎、甲斐、甲府のあたりまでくると、かなり日が落ちてきました。
山嶺が夕日にそまっています。
正面に富士山が大きく見えてきましたが、白くかすんで輪郭がぼやけています。
大月、上野原と通過するころにはあたりはすっかり暗くなりました。
あとひと息。
八王子から、最後は中央高速の均一料金区間にはいり、国立府中インターで下車。
無事に国立の家にもどってきました。
午後8時前。
長岡から5時間弱かな。
どこにも立ちよらずに走ると、5時間ちょっと。
休憩取りながらで6時間くらいといったところでしょうか。
NVCの仲間でもある安納献くんから教わったアレクサンダー・テクニークを意識して、運転時の姿勢を気をつける習慣が身についているので、車の運転で疲れたことはまったくありません。
今回も快適に楽しく、無理なく運転して帰ることができました。
よかったね(自分)。
◎
アースデイ永田町での共感ワーク(4.21)
共感的コミュニケーション(NVC)のワークをふたコマ、前半は共生革命家のソーヤー海くんとのコラボ、後半は「Active Body Communication(ABC)」という自己共感のための身体ワークをおこないます。午後から。