2014年2月15日土曜日

家の前で遭難しかけた日のこと

今日(もう昨日か)は豊田市で某住宅メーカーのプロモーションビデオに出演者として参加するため、昨夜から泊まっていたビジネスホテルで目がさめる。
起きたら一面の雪で、今日は一日降りつづくと予報している。
が、夜にはゆるむらしい。
そのかわり、午後からは雪の中心は関東に移動して、夜まで降るという。

撮影は夜までかかり、それから遅い新幹線で東京にもどるつもりだったので、ちょっと心配になってきた。
私以外にも東京組が4人くらいいる。

映像の撮影に関わったことがある人なら知っているだろうが、ほんの数分のビデオを作るために丸一日、大勢のスタッフが時間をかける。
メインの出演者は出ずっぱりだが、ちょい役は待機時間がやたらと長い。
控え室でだらだらとすごす。

バラさんが読んでいて、ちょうど読み終わった本『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』大江健三郎をもらったので、読んだりした。
これはなかなかよい。
つづきは明日以降、ゆっくり読もう。
そのほかに、坂野さんと作曲の話やら音楽界の話やら、いろいろできたのも楽しかった。

夕方、ようやく出番になり、メークをしてもらって、着替えて、ほんの少し演奏したら、もう終了。
バタバタと撤収して、それでも撮影会場を出たのは20時前だった。
制作会社の人に車で名古屋駅まで送ってもらった。

東京のほうはかなりの雪になっているということだが、さいわい新幹線は遅れながらも動いていて、21時半くらいののぞみのチケットを確保できた。
新幹線は名古屋駅では10分遅れくらいで出発し、快調に走っていたのだが、熱海をすぎたらがくんと速度が落ち、品川に着いたときには25分くらいの遅れになっていた。
それでもまあそのくらいですんでラッキーだった。
なぜなら、まだ山手線も井の頭線も動いている時間で、その両方ともこの大雪にもかかわらず、遅れながらもちゃんと動いていたからだ。

0時ちょうどくらいに下北沢駅に到着。
雪はまだガンガン降っている。
暖気が入ってくるので東京の雪は21時くらいには雨に変わる、といっていた予報は完全にはずれた。
こういうはずれ方は命に関わるのではないか?
私は傘を持っていなかったので、〈うちだのきもの〉で購入したパンダ柄のガーゼ手ぬぐいを頭に巻き、それで歩いて帰った。
これは大変たすかった。
なかったら遭難していたかもしれない(うそ)。

ほんの5分くらいの距離だが、道は新雪におおわれ、歩くとキュッキュッと音を立てる。
雪を見ると自動的に嫌悪をもよおす悲しい北陸人のさがだが、今夜の新雪はちょっと子どものころのわくわく感を思いだした。
うちの前の坂道をスキーですべったらさぞかし最高だろう、と想像しながら、室温3度の自分の部屋にもどり、ガスファンヒーターをぶん回しているところ。
帰宅して1時間たったが、まだ8度。
蘭が枯れないか心配。