台風一過。台風一家じゃないですよ。
雨と風が秋を運んできます。
羽根木の家の荒れ庭に彼岸花が一輪、突然咲きました。これは不思議な花で、茎だけが突然シュッと伸びてきて、てっぺんに花群がいきなり咲きます。葉っぱはありません。茎と花だけです。
花が枯れると、ようやく葉っぱが地表にへばりつくように出てきて、冬の間もありますが、春になるとこれも枯れます。そして秋になるまでなにも生えてこないのです。
種はなく、地下根で増えるので、群生している姿をよく見かけます。でも、羽根木の家の庭に咲いたものは単独です。ひとりきり、ぽつんと咲いています。
お仲間はどこにいるんでしょう。彼女はどこから来たんでしょう。
謎です。
彼岸花が終わると、金木犀が香りはじめ、文化祭や体育祭のことを思いだす季節になります。抜けるような青い空、稲藁のにおい、日の光で輝くススキの穂。
秋はずっと苦手な季節だと思っていましたが、こうやってみると彩り豊かで、多様で、実りが多い季節なんですね。
考えてみれば、私自身も人生の秋のまっただ中にいるのでした。収穫の秋だといいですね。