1時間ちょっとくらいのイベントで、高齢の方が多かったにもかかわらず、みなさん最後まで熱心に付き合ってくれました。そして、最後はたくさんの笑顔を見せていただきました。
終わったあと、何人もの方から握手を求められたり、抱きかかえんばかりにされたりしながら、別れを惜しみました。
最初は騒いでいた男の子はひなたくんという名前で、途中ですっかりなじんでしまい、とくに照井数男とは友だちになったらしくてふたりでじゃれあっていましたが、これでお別れだよという際にはなんだかものすごく悲しそうで、ちょっと怒っているような顔になったり、見た目もかわいそうなくらいがっくりと肩を落として去っていくのでした。
機材と荷物を撤収。
全員車に乗りこんで、仮設住宅地をあとにしました。
と、車に向かってひなたくんが走ってきて、道ばたで手を振ってくれるではありませんか。よほど名残惜しかったんでしょう。私たちもいろいろな思いを抱えながら、被災地をあとにしたのでした。
帰りの道中のことは割愛します。
帰路ではいろいろなことをかんがえました。
すでに書きましたが、被災地ではまだまだ支援を必要としていること。その支援の形も、時間と状況に応じて変わりつつあること。
物質的支援だけでなく、これからは被災地との「つながりの質」が必要になってくるのではないかと思っています。私たちはささやかなイベントをおこなっただけですが、そのなかでもとくにコミュニケーションの大切さを感じました。良質のコミュニケーションを取りながら、物資にしても精神的支援にしてもおこなっていく必要があるのではないかと思います。できればその両方があるといいですね。
たとえば、物資を運んでいくにしても、皆さんに集まってもらい、そこでなにかコミュニケーションを取りながらいっしょになにかを楽しんだり、ケアワークをおこなったりしつつ、必要な物資を持って帰っていただく、というような方法です。
現代朗読協会では、今後もできればこのような活動をつづけていきたいと思っています。そのためには皆さんの支援も必要です。そのことをお願いしておきたいと思います。
そして、今回のツアーを全面的に援助してくれ、また道中と現場でもサポートしてくれた三谷産業株式会社とその松嶋さん、都平さんに、深く感謝したいと思います。
最後に、今回の被災地支援ツアーに、カンパやその他さまざまな形でご協力いただいた方々の名前をあげさせていただきます(敬称略)。
三谷産業株式会社
松嶋忠之
都平祐浩
伊藤香代子
嶋田尚子
唐ひづる
船渡川広匡
鎌田絽未
佐藤麻奈
田中智
矢澤亜希子
現代朗読協会ゼミ生のみなさん
◎被災地支援ツアーメンバー
野々宮卯妙
唐ひづる
伊藤さやか
山田みぞれ
照井数男
水城ゆう
(おわり)