2012年5月6日日曜日

ある「たんおめ」ツイートメッセージ

私の誕生日に、ある人からびっくりするようなツイートメッセージをいただいた。
 許可をもらっていないけど、うれしいので紹介する。
 このなかで言及されている『夢巫女・美緒』というのは、実は未完の作品で、いずれ機会をあらためて書き継ぎたいと思っている。

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僕が高校生の時、TRPGやゲーム小説を豊富に掲載していた月刊LOGOUT(ログアウト文庫 の母体となった雑誌と書いた方が判りやすいかな?)が創刊された。連載された小説や漫画、毎号取りあげられたTPRG情報は爽やかな表紙から想像出来ないぐらい濃く凄まじい。
『真・女神転生TRPG』や、西谷史さん自ら執筆された小説『真・女神転生 エル・セイラム』、ヒッポンで活躍された手塚一郎さんの小説『悪魔城ドラキュラ悪魔の血 血の悪夢』(イラストは高橋政輝さん!)や、山本弘さんの『ラプラスの魔』の続編小説である『パラケルススの魔剣』。
ウィザードリィ関連なんか鬼の様なラインナップで、竹内誠さんの『BCF』と『リルガミン冒険奇譚』、高井信さんの外伝Ⅰ小説『女王の受難』と『風雲のズダイ・ツァ』、古川日出男さんの外伝Ⅱ小説『砂の王』。末弥純さんのイラストも表紙を飾っていたり、ご本人が連載を持っていたり。
そうそう、『イースTRPG』なんてのもあったっけ!漫画家・板橋しゅうほうさんもこの雑誌で初めて知って、『凱羅』楽しみだったなぁ。単発で梶尾真治さんがSF悲恋小説を書かれていたのも凄く印象に残っている。高田明美さんのイラストと相まって、これは素晴らしかった。
TV版パトレイバーで脚本デビューした横手美智子さんの小説『硝子の瞳の天使』もイラストは高田さんだった。書いているだけでお腹いっぱい!
…そんな中で、古都・金沢を舞台に日本情緒溢れる描写と仮想世界でのハッカーとの戦いを描いた小説が第1号から連載されていた。『夢巫女 美緒』。著者は水城雄さん。もうこの方はピアニストだったりラジオの構成作家?だったりパソコン通信で小説家を育成されていたり、いろんな事をされている!
『夢巫女 美緒』で、およそ相反するであろう和とサイバーの二つの要素が結びついて魅力ある世界…小説の中の金沢が生まれた。連載期間はそれほど長くはなかったが、当時なんかそういう物(ハッカーとか)に異常なぐらい憧れていた僕はその世界にのめり込み…
(;・∀・)ゞとうとう金沢に住むことになっちゃった。
人が住まいを移すとき、これはもう自分のその後の運命を変えるぐらいの大きい事だと思う。失礼を承知で言えば、連載を収録したたった一冊の水城さんの本を片手に、それを理由に、僕は住んでいた北海道からそれまで何の接点も無かった北陸の金沢に移り住んだ。
人が人に与える影響の力を始めて知ったのが水城雄さんの小説だった。作品の魅力一本で僕を北海道の山の中から金沢まで実際に動かしたんだ(親はモーレツに反対したけどね・汗)。生涯、そんな作品にいったい幾つ出会えるって言うんだい?
今日、5月5日はその水城雄さん( @yuumizuki )55歳の誕生日!なんかこの数字の納まりの良さに、何でいま金沢でネットを繋いでTwitterやってるか書きたくなったので書きました。水城さん…お誕生日おめでとうございます!
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 作家冥利につきます。
 こういう人がいるから、出版社や商業経済のためではなく、こういう読者と自分自身のために書きつづけていきたいと思う。

 補足。
 月刊『LOGOUT』は当時のアスキーから出た隔月刊の雑誌で、コンピューター雑誌の『LOGIN』を引っ掛けてある。
 ここに連載された小説は、その後LOGOUT文庫として文庫化され、私は『夢巫女・美緒』という和風サイバーパンク小説と、『紺碧の少女』という太平洋戦争を題材にしたSF小説(いまから思えばスチームパンクっぽい?)を出させてもらった。