以下、アイ文庫のツイッターから、アイ文庫オーディオブックの制作責任者として昨日流したツイートをまとめたものです。
------------
窪田涼子の朗読による夏目漱石の長編小説『彼岸過迄』の連続配信が、もうすぐ終わりを迎えます。あと10回くらい。
全部で118回ありますから、長らくの配信となりました。
すべて無料での配信でした。
無料にしたのは、なるべくたくさんの方に聴いてもらいたい、という望みが第一にあったからです。そして実際に多くの方に聴いていただくことができました。が、期待どおりではなかった面もあります。もっと多くの方に聴いてもらえるのではないかと期待しすぎたかもしれません。
ひょっとして、いくら無料とはいえ、世の中には私たちが考えているほどオーディオブックというコンテンツに対してのニーズは高くないのではないか、ということを感じています。これは精査してみる必要があるかもしれません。
それはそれとして、オーディオブックを聴くのは楽しいものですよ。まだ聴いたことがない人は、ぜひ一度試してみてください。どうせ試すなら、ぜひアイ文庫オーディオブックのようなクオリティの高いコンテンツでお願いします。せっかくオーディオブックに興味を持ってくれたのに、クオリティの低いものを試し買いして(そういうものは安価ですし)がっかりした、という声を聞くこともありますから。
もうひとつの望みとして、やはり多くの方に聴いてもらったあとは、有料のコンテンツにも手を出してもらいたかった、ということがあります。なぜなら、収益がなければ私たちも作りつづけることはできないからです。こういうパブリックドメインの文芸コンテンツに関してはどこからも制作費が出ませんから、リスナーの方に買っていただくことで製作体勢を維持していくしかないのです。
しかし残念ながら、今回についても、また過去のおなじような試みについても、リスナーの方からの買い支えはほぼ「ゼロ」でした。この結果についても、きちんと受け止めなければならないと思っています。
というわけで、長らくご愛顧いただきましたが、アイ文庫オーディオブックの無料配信はこれにて終了、ということにさせていただきます。
『彼岸過迄』の残りがまだ10回分くらいありますので、どうぞ最後までお付き合いいただきますよう。
またどこかでお会いできることを祈りつつ。