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2015年9月10日木曜日

佐渡ピースキャンプの5日間(2)

7日・月曜日。
佐渡でもこのところいつもそうしているように、夜明け前に起きる。
みんなが寝ているあいだに、教会のまわりや海のほうを散歩する。
小さな教会、海、どんより曇った空、ちょっと荒れた風景、まるで自分の小説のなかの世界へやってきたみたいな気がする。
長編小説「親密な関係」の配信は、佐渡キャンプのあいだは休むことにした。

午前8時ごろ、みむぅ夫妻と先着したNVCチームメンバーで朝食。
いよいよキャンプの始まり。
キャンプリーダーは春野さん。

朝食後、4台の車で参加者たちをフェリー乗り場まで迎えに行く。
参加者は学生と、キャンプ参加経験のある若者、引率の牧師や先生で、全員がクリスチャン。
このピースキャンプの主催は「日本基督教団関東教区新潟地区宣教委員会」という組織なのだ。

佐渡教会にもどる前に、ドンデン山という山に登り、そこでNVCの最初のワークをおこなう。
あいにくの天気で、山頂は霧というか雲のなかで、見晴らしはまったくない。
それでも高原には山野草がたくさん咲いたり、実をつけたりしていて、目を楽しませてくれる(写真はウメバチソウ)。
そのなかで、「出会いと別れ」というワークをやる。
私は参加者のほぼ全員が初対面だ。

雨が強くなってきたので、撤収。
全員で佐渡教会にもどる。
その途中、先導のみむぅが停車したので、なにかと思ったら、刈り取りの終わった田んぼにトキが羽を休めていた。
餌を採っていたようすだったが、佐渡にはほんとにトキが、しかもけっこう間近で見られたのはびっくり。

もう一箇所、〈へっついの家〉という、みむぅたちがやっている福島の子どもたちの支援施設を立ちよる。
みむぅはここをいずれ、プレイパークにしたいんだという。
しかし、すでにツリーハウスができていたり、立派にプレイパークのようになっているし、日本みつばちの養蜂箱を置いたら楽しいだろうなあと思ったりした。
問題は、周辺の田んぼの農薬かな。
佐渡もコシヒカリ一色のように見えた。

佐渡教会にもどり、いよいよ参加者たちとともに夕食、そして礼拝。
まだ全員が揃っているわけではない。
初対面の者もたくさんいるので、まだまだ緊張がとけない感じがある。
私も非クリスチャンなので、みんながあたりまえのように賛美歌を歌ったり、お祈りしたり、といった共通儀礼で動いているなか、とまどうことが多い。
非クリスチャンどころか、北陸の山間部の田舎町に生まれ育って、キリスト教文化には大学に行くまでまったく接することがなかったので、まさに異文化と感じる。

この夜から私は、参加者たちとは別に、みむぅにとってもらった近所の旅館に泊まる。
簡素だが清潔な部屋で、快適。
すぐに休みたかったが、ラジオドラマのシナリオの締め切りを持ちこしてきていて、明日までに原稿用紙にして20枚くらい書きあげなければならないという状況だった。
この夜と、翌日の合間をみて、なんとか書きあげた。