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2020年7月10日金曜日

essay 20200710 入院

緊張、変化、期待、希望。
引っ越し、模様替えなど、環境が変わるとき、さまざまな変化が訪れる。
ピアノの稽古をしていて、ひとつの曲にOKをだし次の曲に移ると言う時も、同じような気持ちの変化が訪れる。

自由に曲を弾いていて、たまたま子どもの時に稽古していた練習曲のような曲ができた。
練習曲ではないのだが、弾きながら面白い気持ちになった。

自宅での療養からホスピスでの療養に引っ越しした。
苦しさ、不安から、安心、信頼へと気持ちが変化する。
病室からは濃い桜の緑も何も見えている。
数日ぶりに顔を出した太陽が青空から照り付けている。



From editor


「ホスピスに入った」というと動揺する方が多いが、一応「痛みのコントロールのため」の入院で、期間は一週間ほどといわれている。

病院だと静かで清潔でいいですね、とも言われるが、ご存知の方はご存知のとおり、病院というところはホスピスといえど耳を澄ませばけっこうなざわつき(人の声、動きの音、いびきやうめき声、モーター音、等々)がある。
しかし水城にとって、たくさんの人がいる病院の夜は「ひとりでさびしい」時間であり、ノイズともいえる人のいびきの音は「人の存在を感じてほっとする」のだった。

——先週から痛みが強まっていて、かねてよりホスピスからも勧められていた痛みコントロールのための入院を、月曜に申し込んだ。ベッドが空くまで一週間ほど待つかもと言われていて、遠方から親族が来る予定があったためちょうどいいと言っていたのが、火水と頓服薬(レスキュー)が激増、それも飲んだ意識(記憶)がないという事態になり、木曜の朝は朦朧として混乱行動が生じたため、本人の要請で病院に連絡。急遽、一般病棟に入ってもらって空き次第ホスピス病棟へ移動する、ということになった。
病院への移動には、音読トレーナーで牧師の葉っぱさんに全面的にお世話になった。ありがとう!

COVID-19の影響で面会も禁止。晴れ間が出ても、これまでのように外に散歩に行くどころか病棟内のうろつきも禁止。ラウンジも閉鎖。通常以上に不自由な環境ながら、24時間態勢の看護が水城に与えている安心感はとても大きい。
CTの結果はそれなりに厳しいものではあったが、麻薬も貼り薬+常時皮下注射になり、痛みも10のうち7以上だったのが4ぐらいまで落ち着いたという。今は副作用でほぼずっとうとうとしているが、落ち着いてくればクリアでいる時間も持てるはずだとのことで、水城がなによりもなによりも望んだ、演奏と執筆のためのクリアな時間への希望が見えてきて、ほんのり明るい雰囲気が漂う。
たっぷりのサポートを受けて、共感酸素がじゅうぶんに供給されて、自律的な生活ができるようになりますように!

今日の配信は、入院直前の昨日の朝に弾いたもの。混乱へのショック、病院の快い対応への安心、そして予断を許さない環境の激変への不安……がないまぜになったひとときだった。