ページ

2019年3月14日木曜日

晴れているのに雨降りのなか絵画館へ向かう

アフリカなんちゃら展はスルーして、もう帰ろうか、それとももうすこしなにか見てみるか、迷っていた。
美術館のレストランを出ると、雨が降りはじめていた。
なのに、空を見ると晴天なのだ。

雲が低くすばやく走っている。
これは雨というより、低い雲が通過しているその水分が地上に触れている現象に近いような気がした。
だれも傘をさしていない。
せいぜい防寒着のフードを頭にかぶっている程度だ。
私もまねをして、ここではきっと目立ちまくりの赤いダウンジャケットのフードを頭にかぶせた。

雨降りでいったんもう帰ろうかと決意しかけたが、雨降りの青空を見てもうすこし足を伸ばすことにした。
地図によれば、駅のほうに州立絵画館というものがあって、そこの所蔵品はなかなかのみものだというのだ。
行ってみることにした。

これまた歴史ある古い建物で、最初入口を間違えて、職員専用の入口からのこのことはいってしまった。
初老の男性がしっかりとした英語で、ここは職員専用である、来館者はここを出て左に100メートルのところにあるエントランスから入れる、と告げられた。

エントランスは来館者でけっこうにぎわっていた。
荷物をロッカーに預け(ちゃんとクロークもあってクローク係もいた)、チケットを買いに行くと、今日は無料公開日だと、それでもチケットをくれた。
それでにぎわっているのかな?
ともあれ、ラッキーと入館したのだが、すぐに大変な場所に来てしまったとわかった。

とにかく、所蔵品が多いのだ。
内部も迷路のようになっていて、最初に見はじめたのが19世紀の自然派の絵画。
順路(そんなものがあるとしたら)を逆にたどってしまったようで、そこから18世紀、17世紀、16世紀とたどって、ロマン派からルネッサンス期にいたる膨大な宗教絵画の展示。

さらに近代絵画の印象派からキュビスム、シュルレアリスム、抽象にいたる作品群。
ルノアール、セザンヌ、モネ、マティス、モディリアニ、ゴーギャン、カンディンスキー、ポロック、全部ある。
ピカソの部屋もあって、珍しい作品が見られる。

とにかく膨大な量で、駆け足で見るのはもったいない。
しかし、大量の絵をいっぺんに見るのは、身体的にも精神的にもとても疲れる。
その疲れは、いい運動をしたときのようにいやなものではないけれど、疲れることには違いない。

くたくたになって、絵画館を後に駅に向かった。