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2019年1月11日金曜日

国立〈宇フォーラム美術館〉まで平松輝子回顧展を観に行ってきた

国立に引っ越して2年以上が経つが、こんな美術館があるとは知らなかった。
現代美術作家である平松輝子の自宅横に美術館が建てられていて、現代作家に開かれている。
運営方式が独特で、ドイツでは多く存在している芸術振興組織「クンストフェアライン」のやりかたを採用している。

クンストフェアラインは「芸術連帯協会」と訳されている。
会員が会費を負担して運営される芸術の場で、宇フォーラム美術館も会費で運営がまかなわれている。
この美術館で作品展示をする作家は、使用料を負担しなくてよい。

普通、美術作家が展覧会を開きたいときは、ギャラリーを借りて、会期に応じた使用料金を負担する。
その必要がない、ということだ。
くわしい運営方針や内容については、私はまだ踏みこめていないのだが、地域にこのような質の高い美術館があるというのは喜ばしいことだ。

またここでは、美術展示だけでなく、ダンスや音楽などパフォーマンス系のイベントも催されることがある。
私も機会があれば、音楽や朗読でイベントチャンスを持てればいいなと思う。

今回は1月10日から会期がスタートした平松輝子の回顧展がおこなわれていた。
平松輝子という人を私は知らなかったのだが、あらためて作品と展示を観ておどろいた。

国立の中学校で図画工作の先生をしていた彼女だが、まだ二十代のときに単身ニューヨークに移り住み、そこで製作した作品が認められ、いわばシンデレラストーリーのように有名になった。
そのことは日本ではほとんど知られていないのだが、作品を見ると、日本の現代美術を代表する強烈な個性とパワーとアイディアに満ち溢れたものがあることに驚かされる。
一見の価値はあるし、もっと知られていい作家だろう。

彼女はすでに90歳を超え、作品製作はほとんどおこなっていないが、ご家族から直接お話をうかがうことができて、ラッキーだった。
作品とその生き方、現在のようすのお話など、たくさんの刺激をいただいた時間となった。

平松輝子回顧展は1月20日までと、2月7日から17日までの開催。
宇フォーラム美術館のウェブサイトはこちら