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2015年6月30日火曜日

現代朗読の手法に共感してくれる人が増えていてうれしい

この前の日曜日・6月28日の夜に、現代朗読の体験講座を開催した。
参加者は少なかったのだが、参加してくれた人のひとりはその場でゼミ生になってくれた。
また、現在、ボイスコーチングの無料体験モニターを受け付けているが、それに申し込んできた人が朗読に興味があるということで、ボイスコーチングというより半分くらい現代朗読の個人説明会みたいになった。

前者は、朗読をやりたくて、以前朗読講座に通いはじめてみたけれど、滑舌や日本語発音規則、読解について「こうしなければならない」「こうしてはいけない」という指導に苦しくなって、途中でやめてしまった経験があるとのこと。
しかし、朗読表現をやってみたいという思いがずっとあって、今回、現代朗読協会のコンセプトをネットで知って、ここなら合うかもと思って、参加したそうだ。

後者も、朗読活動をやっているけれど、時々受ける朗読指導者からの指導が厳しくて、その課題をこなせているかどうか自信がない状態で講座に出るのがだんだんつらくなって、本来もっとのびのびと表現を楽しみたいとはじめた朗読なのにと、原点にもどりたくなったとき、現代朗読のコンセプトを見つけて、とりあえずボイスコーチングに申し込んでみたとのことだ。

現代朗読のコンセプトとは、朗読者はほかならぬ個人的表現者であり、かけがえのないオリジナリティを表現する自由を持っていて、どんなテキストであれ、どのように読むかについての自由は完全に朗読者本人に還元される、というものだ。
朗読表現とは、テキストの内容や作者の意図を伝える「代弁者」になることではなく、そのテキストを用いて「自分自身」を表現することが本質であろう、とするのが、現代朗読の考え方だ。
これには異論もあるだろうが、この考え方に共感する人が増えているように思う。

(たぶん)たった一度きりの人生なのだ、自分がここに生きてこのように存在しているという命の輝きを表現したい、という欲求を持っている人は多いだろう。
そのような欲求がない人はかまわないのだが、切実にそういう欲求を抱えてもがいている人は「表現者」であろう。
私もそうだ。
いっしょにかんがえ、作り、表現する場として、現代朗読協会がいまあることを、私は心強く思っている。

※現代朗読協会ではゼミや講座など、どなたでも気楽に体験参加ができるように窓を開いています。体験参加についてはこちらをご覧ください。

2015年6月28日日曜日

「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演レポート

2015年6月26日。
明大前〈キッド・アイラック・アート・ホール〉のギャラリースペースにて、「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演の4回めを開催した。

今回のギャラリースペースでは坂本龍幸「夜の形」展がおこなわれていた、その中での公演だった。
そして展示時間の都合で、スタートは20時半と、欧米並みの遅い時間となった。
20時半というと、私はいつも、私の青春時代の音楽アイドルだったウェザー・リポートのアルバム「8:30」を思いだす。
「エイト・サーティー」は欧米のコンサート開演の一般的な時間なのだそうだ。
もっと遅い時間の開演も普通にあるらしい。

公演は20時半、ほぼ定刻にスタート。
前半の「沈黙の朗読」パートでは、リリースしたばかりの私の長編小説『ストリーム』から抜粋し、さらに構成したものを野々宮卯妙に読んでもらった。
私のピアノ演奏は、音をこれまでよりさらに少なめにし、不協・共鳴に注意深くなりながら、マインドフルに集注していった。

中盤でしだいに沈黙の比重が増え、やがて完全に沈黙し、同時に照明が落ちて完全暗転に。
私はピアノに向かってすわったまま、自分の脈拍を取ってみた。
300くらい数えたところで、後半の音楽瞑想パートに進んだ。

調性のあるまばらな音によるイントロから、調性のない中間部をはさみ、リズムと調性のある後半部へ。
自分がどこへ向かうのかとても興味深く、自分自身に好奇心を向けつづけたまま演奏を展開できたことがおもしろかった。

終演後はささやかながらつまみとワイン、梅酒、参加者のひとりの川橋さんからいただいた日本酒などをいただきながら、みなさんと歓談。
これもまた楽しいひとときだった。
参加者はけっして多くなかったけれど、おいでいただいたみなさんに深く感謝している。

「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演はさらに月一回のペースで継続するつもりだが、公演のスタイルを大きく変えるつもりはない。
来月もおなじようなスタイルで、しかしまったく異なる体験を共有することになるだろうことを予想して、開催する予定だ。

来月は7月27日(月)夜の開催予定で、詳細と参加予約はこちらからどうぞ。

韓氏意拳講習会3連チャン

昨日は韓氏意拳の講習会3連チャンだった。
4日間の北陸帰省をはさんだ前の日曜日は、鹿間先生の剣体と養生功の2連チャンだった。
昨日の午前と午後の講習は羽根木の家で毎月おこなわれている内田先生による初級講習会だったが、昨日の夜は岡山からいらした野上先生による五行拳の講習会で、前の日曜日のものと合わせてあたらしいものをつづけてたくさん習ったので、身体も頭もぱんぱんになった感じがしている。

昨日の午前は体験参加ができるクラスで、ゼミ生のてんちゃんが参加してくれた。
一番最初にやる形体訓練と平歩站椿をじっくりとやった。
初めて韓氏意拳に接する人がいると、こちらも初心に返ることができて、あらたな学びや気づきが生まれる。

午後は女性ばかりのクラスとなり、なんだかなごやかな雰囲気に。
いやいや、ちょっと待て、昨日の参加者は私をのぞいて全員が女性だった。
もともと、韓氏意拳の稽古は武術っぽくないといわれているが、さらに武術っぽくない雰囲気でおもしろかった。
とはいえ、おこなったのは技撃椿の練習で、武術以外のなにものでもない。

夜は内田先生に同行してそのまま目白の会場へ。
野上明宏教練による講習を受ける。
知らなかったのだが、金曜夜の講習からつづいていて、その後半ということで、内容は五行拳の後半となっていた。
五行拳そのものをほとんどやったことがないので、われながらぎこちなさを感じたが、それでも懸命に状態に注目しながらなんとか試みた。
これらはたくさん稽古が必要だろうと思う。

羽根木の家での来月の初級講習会は、二週間後の7月12日(日)。
体験参加ができる午前の部と、会員限定の午後の部がある。
興味がある方は午前の部のほうにおいでください。
詳細はこちら

羽根木の家BLOG:羽根木韓氏意拳初級講習会

来月7月12日(日)に羽根木の家で開催される韓氏意拳の初級講習会について、開催情報を「羽根木の家」BLOGに掲載しました。
興味のある方はこちらをご覧ください。

2015年6月24日水曜日

私が「あて書き」の好きな理由

来月・7月末にゼミ生の唐ひづるとサラヴァ東京のオープンマイクに出ることになっている。
せっかくなので、唐ちゃんのために「あて書き」をしようと思っている。

「あて書き」というのは、特定の役者や朗読者のために脚本家や作家が彼(あるいは彼女)をイメージして「こういうものを読ませてみたい」とスクリプトを書くことをいう。
私はこのあて書きがけっこう好きで、かなりたくさん書いている。

ラジオ番組の制作にたずさわっていたとき、特定のナレーターに読んでもらうことを前提にしたスクリプトを毎週書いていた時期がある。
シナリオというより、それはほとんど短編小説といっていいもので、ナレーションというより朗読といったほうがいい、つまり「表現」コンテンツだった。

自分が書いた小説なり原稿なりが、もう一度音声コンテンツとしてナレーターや役者の表現として立ちあがる。
そのとき、自分のイメージどおりにコントロールしようとして、読み手に注文をつける書き手がいるが、私はほとんどそういうことはしない。
むしろ、読み手がこちらのイメージをどう裏切ってくれるか、思いもかけない表現として立ちあがってくるのを見るときに、無上のよろこびを感じる。

なので、私にはたくさんのあて書き作品がある。
といっても、いったん書きあがったものは、最初に読んでもらうことをイメージした相手でなく、別の読み手に読んでもらってもおもしろいのだ。
またちがった表現が立ちあがってくる。
それが楽しくてしかたがない。
私は書くことも好きだが、それが読まれて音声表現になっていくことはもっと好きだ。

さいわい、私は現代朗読協会という団体を主宰していて、それはこじんまりしたものだけれど、ゼミ生というかなり密度の濃い音声表現者の集まりである。
彼らにあて書きをすることは、私にとって大きなよろこびのひとつだ。

今回は唐ちゃんにあて書きだ。
すでにシチュエーションはおおかたできあがっている。

そしてあさって26日(金)夜は、キッド・アイラック・アート・ホールのギャラリースペースで「沈黙[朗読X音楽]瞑想」の公演をおこなう。
これはあて書きではないけれど、まだだれも読んだことのない私の長編小説『ストリーム』から、抜粋・構成したものを野々宮卯妙に読んでもらうことになっている。
つまり初演というわけだ。
こちらも楽しみだ。

あさって夜の「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演の詳細はこちらをどうぞ。まだまだ残席あります。

過剰なものやできごと、情報にあふれる現代社会において、ときに私たちは多くのことを見すごしてしまう

2015年5月20日、キッド・アイラック・アート・ホールのギャラリースペースでおこなった「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演の当日パンフに書いたことを、こちらにも公開します。

次回の「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演はあさって・6月26日(金)夜です。
くわしくはこちらをご覧ください。

――――――
 先日、ベトナム出身の禅師で、フランスで〈プラム・ビレッジ〉というサンガ(僧坊)を主宰しているティク・ナット・ハンのお弟子さんたちが来日していた。彼らと、聖路加病院・聖路加国際大学の精神科のスタッフが共同でおこなった「マインドフルネス瞑想の会」に参加してきた。
 ティク・ナット・ハンのマインドフルネスという、仏教(禅)由来ではあるけれどとても平易にこなれたかんがえかたに触れたのは、2005年のことだったと記憶している。NHKラジオの番組でティク・ナット・ハンという人のことを知り、『禅的生活のすすめ』という本を取りよせて読んだのが最初だった。
 マインドフルネスということばこそ知らなかったが、「いまここにある自分自身とまわりのことに気づきつづけている状態」が大切であることは、それ以前にポーリン・オリヴェロスのソニック・メディテーションの手法に触れ、私自身もディープ・リスニングというワークをおこなっていたことで実感していた。
 ディープ・リスニングは最近、音楽瞑想と称しておこなうようになったが、昨今の瞑想ブームに乗っかったように思われるのはちょっと心外である。
 いずれにしても、即興演奏による誘導瞑想はだれにでもここちよく体験することができるし、体験を重ねれば感覚体としての自分の存在自体のあらたな深みに気づいていくことができると思う。私はこの方法を自分自身の人生のクオリティを高める方法として大事にしていきたいと同時に、みなさんにも体験を共有し、ともに高めあっていければ幸いだと思っている。

2015年6月23日火曜日

新刊長編小説『ストリーム』(電書/紙本)



水城ゆうの新刊長編小説『ストリーム』が電子書籍および紙本の両方の体裁で同時に出版されました。
昨年2014年にブログで連載し、その後大きく書きたして完成させたものです。

『ストリーム』(著・水城ゆう/出版・アイ文庫)
 電子書籍 324円/紙本 1,284(ともに税込)

 まずはBCCKS( bccks.jp )からのリリースです。
 この後、アマゾンKindleストア、楽天<kobo>イーブックストア、iBooks Store、紀伊國屋書店 Kinoppy、BookLive!、BOOK☆WALKER、eBookJapan、Sony Reader Store、KDDI ブックパスでも順次配本予定です。

2015年6月22日月曜日

剣体研究会と韓氏意拳養生功のダブルヘッダー

剣体研究会も初めて、養生功も初めて、会場も初めてだった。
十条駅と王子駅のどちらからでもアクセスできるらしいが、新代田から渋谷に出て、埼京線で十条駅まで行った。
駅からはちょっと歩いて、中央公園文化センターへ。
外装はあたらしくしてあるが、どう見てもかなり歴史のある建物。
拙著『赤日の曠野』の執筆のために旧満州地方(現中国東北部)を旅したときに見た病院やホテル、銀行、公用館に酷似。
あとで調べてみよう。

鹿間裕行先生には、一度だけ、韓氏意拳を習ったことがある。
今回は剣体と養生功。
10時に剣体研究会がスタート。

私は木刀を持って参加した。
木刀は以前、白樫の材質のものをネットで購入したものだが、どういうふうに扱って、どういうふうに練習していいものか、まったくわからなかった。
なので、ほとんど新品のままの状態だった。
鹿間先生がそれをめざとく見つけて、
「きれいですねー」
といわれたときには、ちょっと恥ずかしかった。

講習では、剣体を操作するのではなく、身の転換や足の運びで剣体が「結果として」働く様を見せてもらった。
模擬日本刀を持たせてもらった。
種類によって異なるが、本物もだいたいこのくらいの重さだという。
なるほど、重い。
これを 腕力だけで振り回すのは大変だし、効果的ではない。
練習のやり方がわかったので、これからは家で練習してみることにする。

先生がたといっしょに、昼は王子駅近くの蕎麦屋まで歩く。
鹿間先生のツイッターにはしばしば、すばらしい野鳥の写真が登場するのだが、その撮影法などを聞いた。
新潟に住んでおられて、近くに湿地があるのだという。
原発事故の話も出る。
福井や石川にも指導に行っておられるので、その話題はかなり微妙らしい。

午後は養生功の講習。
養生功は技撃を想定していないが、しかし韓氏意拳にはちがいない。
常に高い「状態」が要求される。
というより、状態がないと身体がまとまらず、動きもともなわない。
形体訓練に似ているが、より大きく複雑な動きがたくさんある。
やったことのない動きが多く、動きに気を取られると状態が切れる。
力はほとんど使わないが、内奥の筋肉がしっかり働いている感覚があった。
かなりの集中が必要で、2時間半の講習が終わったときには汗びっしょりになっていた。
そして今朝は全身のまんべんのない、とくにコアの部分の筋肉痛。

養生という言葉に対する思いこみがあって、もっと楽なものかと予想していたが、そもそも養生とは「生を養う」「生命の活発さを磨く」という意味らしい。
そういう意味では、生命を発揮するのに精一杯になった時間だった。
慣れない動きがあって全部覚えきれていないが、思い出せる範囲で家で練習してみようと思う。

内田秀樹先生による韓氏意拳の体験&初級講習会を世田谷「羽根木の家」で6月27日(土)に開催します。
どなたでもご参加いただけます。
詳細はこちら

ブラックな絵本と映画談義の次世代作家養成コース

昨夜の次世代作家養成コースは参加者がせっちゃんと卯妙さんのふたりだけ。
せっちゃんが私のすすめた映画「2001年宇宙の旅」を観たというので、映画談義からスタート。
キュブリックならほかにも「シャイニング」を見るといいよ、という話から、ホラーならサイコ系のほかにオカルト系の基本「エクソシスト」も押さえたほうがいいとか、「2001年」の続編の「2010年」はまた全然テイストが違う映画になってるといった話に発展。
せっちゃんが「猿の惑星」を観たいというので、それはぜひ、と太鼓判を押して、SF系なら「コンタクト」とか、「タイムマシン」のリメイク最新版はなかなかよかったとか、止まらなくなってしまった。
映画の話は話しだすときりがなくなってしまう。

で、今回の養成コースのお題は「マニキュア」。
せっちゃんが書いてきたのは「もりのネイルサロン」という、一見ほのぼのした童話風というか、絵本にしたらいいような感じの動物たちのお話。
しかしこれは最後にブラックなオチがあって、子どもにはちょっときつい。
せっかくだから、ちょっとリライトして、ちゃんと絵本にしようという話になった。
せっちゃんは絵もかなりいけるのだ。
絵本作家をめざすか?

卯妙さんは超短い詩をその場で書きあげて提出した。
これはポエトリースラムで発表した「うん☆論」の系列らしいが、理解するにはかなりの知識と知的レベルを要求される。

次回の次世代作家養成コースは、また2週間あいて、7月5日(日)の開催。
次回までの宿題のお題は「猿」。
体験参加歓迎。
受付はこちらから。

2015年6月21日日曜日

5月の「沈黙[朗読X音楽]瞑想」抜粋映像

2015年5月20日。
明大前〈キッド・アイラック・アート・ホール〉の3階ギャラリースペースにておこなわれたライブイベント「沈黙[朗読X音楽]瞑想」のもようから、ごくかいつまんで抜粋映像にしました。

朗読は野々宮卯妙、ピアノ演奏は水城ゆう。
テキストは九鬼周造作「いきの構造」の冒頭部分です。

映像はこちら(画像をクリックしてください)。
次回の「沈黙[朗読X音楽]瞑想」は6月26日(金)夜に、おなじ場所で開催します。
詳細と申し込みはこちら

2015年6月20日土曜日

ヒメコウゾの実、昼ゼミ、雑学ゼミは濃い共感的コミュニケーション

羽根木の家の西側は大家さんちの畑と面している狭い路地で、トイレの裏側になっていることもあってめったに足を踏み入れないのだが、トイレの窓からなにやら赤い実がなっているのが見えたので、回ってみた。
弾力のある枝に赤い実がポツポツといくつかついている、青臭いにおいの若木が繁茂していて、調べたらヒメコウゾということだった。
残念ながら、蜜源にはあまりならないようだ。

午後の昼ゼミには、大阪から郁代さんが参加。
リクエストもあって、フローや体認の稽古としてお経朗読や、いくつかのエチュードを試みる。
また、近いうちにまたオーディオブックを読むことになっているKATの「読み癖」の分析をやってみる。
だれしも読み癖はあるのだが、無自覚にそれを「味」として許容してしまっているのと、客観的に把握していつでもやめることができるのとでは、だいぶちがう。

夜の雑学ゼミは、共感的コミュニケーションの勉強会になった。
自己共感がまだよくわからないという郁代さんのために、私がかんがえた「自己共感の5ステップ」のワークをやってみる。
われながらこれはわかりやすくて、なかなかすぐれたプロセスなのだ。
そのあと、メールやLINEにおける共感的なやりとりの方法や、調停の事例、個別の事例についておこなって、かなり濃い内容になった。
私もあらたな発見があって、おもしろかった。

※6月の羽根木の家での共感・声カフェは、来週6月25日(木)19〜21時です。詳細はこちら

2015年6月17日水曜日

大島健夫『ちょっと少なくなってしまった里山の生き物たち』

3、4年前のことだったと思うけれど、どこかのポエトリーリーディングの会で、シュッとしたえらくかっこいい男が変な詩を読んでいるのを見かけて、それが大島くんだった。
以来、あまり会う機会はなかったのだが、深川の〈そら庵〉や渋谷や、彼の地元の千葉のほうで活発に朗読の会をやっているのを聞いていた。
また、マイナビというサイトで生き物ブログを連載しているのも知っていて、たまに読んでいた。

最近フェイブックでつながって、さらに先月のポエトリースラム・ジャパンで再開したこともあって、なんとなくまとめて彼の書いているものを読んでみた。
ブログはKindleで電子書籍になっていて、何冊か読める。
つい昨日だか今日だかにリリースされたのが、表題の書籍で、さっそくKindleから購入して、さきほど読みおえた。

大島くんの書いているものには、一貫して小さな生き物たちへの愛と、人の経済効率優先主義的ないとなみのなかで彼らが消えていくことにたいする悲しみ、そしてときに怒りが、しずかにこめられている。
楽しく読めると同時に、私たちがいま、まさにこの瞬間、かんがえなければならないことがたくさんあることに気づかされる。

この本に書かれているのは、まさに里山から消えつつある小さな生き物たちのことだが、きっと読んで驚く人が多いのではないかと思う。
今年からニホンミツバチを飼いはじめた私にはさまざまな情報が耳にはいるようになってきているが、一般人には思いもよらないようなことが進行している。
たとえば、この本にはこういう種類の生き物が消えつつあると書かれている。

 アカハライモリ
 マムシ
 赤とんぼ(アキアカネ)
 イシガメ
 スズメ
 クツワムシ
 メダカ
 ホタル

植物ではキキョウなども絶滅の危機に瀕しているとある。
引用する。
「日本の里山からは小さな生き物、かつては身近だった生き物の姿が日ごとに消え続けています。里山とは、この国の先人たちが深い叡智とともに維持・管理を続けてきた、まさしく日本が世界に誇るべき生態系モデルです。そこに生きる動植物たちがいなくなってゆくということは、間違いなく、この国の農林水産業の行く末とも深くかかわっています」
「このような生き物たちがそこに存在していたという事実、そしてそれは私たちの人生とも関係があるのだという事実について知って欲しいがために、この本を書きました」

大島くんはこの本のほかにも『愛すべき里山の生き物たち』という電子書籍を第4集までリリースしている。
アマゾンで「大島健夫」で検索してみてほしい。
また、大島くんのブログサイトはこちら

ボイスコーチングの無料体験モニター募集

もっと多くの人に知ってもらいたいので、ボイスコーチングの無料体験モニターを募集します。
定員は決めてませんが、10名から20名前後の方が受けてくれて、簡単な体験レポートを寄せてくれるとうれしいなと思っています。

私・水城ゆうは昨年・2014年から、長年にわたる声・日本語表現に関する製作/ディレクション/演出経験の蓄積を生かして、声や話し方・表現・コミュニケーションの悩みをお持ちの方のためにボイスコーチングをおこなっています。
私の経験とスキルがみなさんのお役に立てればうれしいです。

また、私のコーチングは、NVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)をベースにした共感的コミュニケーションを用いています。
私のほうからこうしろ、ああしろというようなことはなく、受けた方がみずからのおこないやニーズに気づくお手伝いをするだけです。
多くの方がすでに解決策を自分のなかにお持ちなのです。
というより、そもそも自分のことは自分にしか解決できないのです。

無料体験モニターを受ける方法には3通りあります。

(1) 私と現代朗読協会/音読療法協会の活動拠点である世田谷「羽根木の家」に直接来ていただく。
(2) ご指定の場所まで私がうかがう(遠方など交通費をいただく場合があります)。
(3) Skypeのビデオチャット機能を使ってオンラインでセッションをおこなう。

どれでもご都合のよい方法をお選びください。

※お問い合わせ・申し込みはこちら
 項目「お申し込みイベント」で「その他」を選び、メッセージ本文に「無料体験モニター希望」と書いてください。折り返しこちらから連絡を差し上げます。

※ボイスコーチングの内容についてはこちらをご覧ください。


川崎満里菜「夢巫女・美緒」@羽根木の家

現代朗読協会の最若手ゼミ生(正会員)の川崎満里菜による、羽根木の家の広縁での朗読セッション。このところ、基礎練習の体認朗読をしっかりとやり、ライブ経験を積んできているので、若手ではありながらなかなかの表現者になりつつあります。水城が昔書いた和製サイバーパンク小説『夢巫女・美緒』の冒頭部分を、ピアノとのセッションで読んでもらいました。

映像はこちら(画像をクリックしてください)。

2015年6月16日火曜日

新作音楽アルバム「Music Meditation Vol​​.​​6 vernal equinox」リリース

音楽の新作アルバム「Music Meditation Vol​​.​​6 vernal equinox」が完成し、配信スタートしました。
全曲試聴できるほか、ダウンロード購入もできます。
こちら

2015年1月1日からYouTubeでほぼ毎日配信している「音楽瞑想(music meditation)」を、日本の24節季ごとに切り出したアルバムするプロジェクト、その第6弾です。
Bandcampのアルバム用に音源はリマスタリングしてあります。
Vol.6は「春分(vernal equinox)」です。

収録曲をリストしておきます。

 1. humidity (2:16)
 2. shade (1:58)
 3. hanging (2:42)
 4. buzz (1:55)
 5. dawn (2:14)
 6. pile (2:11)
 7. deer (2:57)
 8. oak (2:35)
 9. raccoon (1:37)
10. beetle (2:12)
11. gush (2:10)
12. suspicion (2:02)
13. grasshopper (2:14)
14. hold (2:10)
15. air (1:44)

私たちはなにかを読むとき、必ず「読まされている」ということ

先日おこなったオーディオブック収録製作コースの5回めから、記録映像の一部を抜粋して紹介します。
映像はこちら

現代朗読では「表現の主体」はテキストでも著作者でもなく、朗読者自身であるというかんがえかたで表現のクオリティを追求していきます。
そのとき問題になるのが、朗読者がテキストに引きずられ、表現主体である自分自身をうっかり手放したり、揺らいでしまうことがよくある、ということです。

簡単にいえば、私たちはなにかを読むとき、かならずその文章に「読まされ」ようとしています。
「羅生門」を読むとき、無意識に羅生門っぽく読もうとしたり、老婆のセリフをいうとき、無意識に老婆っぽい口調をなぞっていたり、つまりそういう「読みの構え」を自分が無意識にとってしまっていることに気づいていません。

自分がなにかを読むとき、その文章から読まされようとしていないか、外部由来の読みの構えを作ってしまっていないか、いまこの瞬間の自分自身はどのような感じがあるのか、自分の表現・生命活動そのものはどんなふうに生き生きしているのか、という方向に繊細な目を向けていく必要があります。
そうでなければ、表現主体が自分ではなく外側に持っていかれてしまうのです。

そのようなことをこのコースで話しています。
朗読やオーディオブックの収録の世界ではかなり特殊で、わかりにくい話かもしれません。
でも、とても大事なことです。

2015年6月15日月曜日

現代朗読協会入門

「現代朗読入門」ではなくて「現代朗読協会入門」ね。

この5月、6月から、ぽつぽつとあたらしい人がコース受講をしていて、うれしく思っている。
その人たちから聞いた話、というより、いままで多くの人にさんざんいわれてきた話だが、現代朗読協会というものがとにかくわかりにくい、という。
どんなことをどのようにやっているのか、どういうふうに参加すれぱいいのか、体験講座を受けたあとはどうすればいいのか。

こちらとしてはかなり丁寧に、そのつど説明しているつもりだが、それでもわかりにくいのだそうだ。
そこで、簡単に図にしてみた。
これならわかりやすい?

図の左上からスタートしてください。
まずは体験講座か、ゼミやコースへの体験参加をしてみてください。
それを受けて、ゼミ生になるもよし、各コースに参加してみるもよし。
外部講師を招いての関連講座も単発であるので、それに参加してみるのもいいでしょう。

とにかくいろいろなことをやっていて、選択肢はたくさんあるので、とにかくまずは「羽根木の家に来てください」、ということですね。
築80年の古民家で、安心してくつろげる場所です。
ここでは「こうしてはいけない」「こうしなければならない」ということがほとんどない。
あやしいネットワークビジネスのような勧誘もなし、宗教も(変な意味の)スピリチュアルもなし。
現代朗読協会は、完全に独立した、どこのヒモ付きでもない、私たちの手だけでゼロから作りあげてきた、オリジナルの団体です。

直感コンサルというものを受けてみた

NVC関係で知り合いになったどんぐりさんこと福島毅さんが、直感コンサルタントというものをやっていると聞いて、受けてみた。
というより、いまも受けている。

「直感」というとなにか非科学的な感じがするかもしれないが、人間は無意識下で相当な情報処理をおこなっていることがわかってきたし、自分自身も実際にそのようなことを実感しているので、直感というキーワードでのコンサルというのはいったいどういうことをやるんだろう、とかなり興味をひかれたからだ。
私もボイスコーチングという、人の声をきっかけにしたコンサルに近いことをやっているが、そのとき、
「この人にはこういうことをやってもらうと有効かもしれない」
ということを思いつくのは、かなり直感に近いひらめきのようなものだ。
そういうとき、頭の表面でいろいろとかんがえている以上に、膨大な情報を相手から受け取りそれを処理している無意識の部分がある、ということを感じる。

どんぐりさんはとても当たりの柔らかい方で、押しつけがましいところはまったくなく、終始安心して話したり、相談に乗ってもらったり、アドバイスを受けることができた。
どんぐりさんに許可をもらって、映像記録の一部を公開する。
雰囲気と内容の一端がわかると思う。
興味がある方はこちらをご覧ください。

羽根木の杏

羽根木の家の玄関先に杏の巨木があって、まったく手入れしていないのでわさわさと伸び放題になっている。
越してきたとき、二階の屋根を突き破って、雨漏りの原因になっていたほどだった。
さすがにその部分は剪定してもらったが、軒先よりはるかに高くそびえたっているので、実がなってもまったく収穫できない。
しかし、ほどよく熟してくると、みずからポトリポトリと落ちてくる。
硬い敷石の上などに落ちると割れてしまうのだが、柔らかい地面や草の上だと軟着陸してきれいなまま拾える。
といっても、どうせジャムにするので、割れたものとか、ナメクジや蟻に食われかけているものも収穫して、掃除して使う。

それがいまの時期で、短期間に集中的に落ちてくるので、なかなか忙しい。
今年はあまりたくさん実がつかなかったと見上げていたのだが、なんのなんの、拾いはじめるとバケツに2杯分くらいは楽にあった。
それを順次、ジャムにしていく。
これが超絶、うまし。

実は縦に半分にくるりと包丁で切って、種を取る。
皮ごと鍋に集めて、上にきび砂糖を乗せ、弱火にかける。
火が強すぎると焦げつくので注意。
しばらくするとグツグツと下から煮えてきて、やがて砂糖も全部溶けて、全体がとろとろになる。
丁寧にあくをすくいながら30分くらいコトコトと煮る。
途中で甘みを調節する。
動画を撮ったので、興味がある人はこちらをどうぞ。

杏ジャムは酸味が強いので、けっこうな分量の砂糖を投入するが、この酸味が絶妙なので甘くなりすぎないほうが私は好きだ。
完全無農薬の手作りジャム。
大きな鍋に2個分、たっぷりとできた。
ミツバチ活動資金として売るか。
ほしい人は羽根木の家まで直接どうぞ。

ちなみに、つぎの羽根木の家のイベントは、今週金曜日19日夜の「ネット&スマホ時代のための文章スキル講座」
文章(テキスト)というチープなコミュニケーション手段において、トラブルを避け、相手に共感的につながるための方法についての講座で、ネット歴25年以上の水城ゆうが満を持して放つ渾身のワークショップです。
詳細と申し込みはこちらから。

2015年6月14日日曜日

みぞれ&波平「温室きのこ版」@ビッチェズ・ブリュー


2015年5月26日、横浜白楽の〈ビッチェズ・ブリュー〉でおこなわれたライブから、朗読の山田みぞれとボイスダンス(ラトゥンカトゥア)の激団波兵によるパフォーマンスのもようをお送りします。
テキストは水城ゆうの「温室」きのこバージョンです。
ピアノも水城です。

映像はこちら(画像をクリックしてください)。
次回の〈ビッチェズ・ブリュー〉ライブは6月29日(月)夜です。
激団波兵、野々宮卯妙、水城ゆうが出演します。
詳しくはこちら

2015年6月13日土曜日

野々宮自作朗読「うん★論」@ビッチェズ・ブリュー

2015年5月26日、横浜白楽の〈ビッチェズ・ブリュー〉でおこなわれたライブから、現代朗読の野々宮卯妙による朗読パフォーマンスのもようをお送りします。
テキストは野々宮のオリジナルで、5月5日に開催されたポエトリースラム・ジャパンでファイナルまで進出したパフォーマンスの再演です。

映像はこちら(画像をクリックしてください)。
次回の〈ビッチェズ・ブリュー〉ライブは6月29日(月)夜です。
激団波兵、野々宮卯妙、水城ゆうが出演します。
詳しくはこちら

2015年6月12日金曜日

ボイスダンス・激団波兵&即興ピアノ@ビッチェズ・ブリュー

2015年5月26日、横浜白楽の〈ビッチェズ・ブリュー〉でおこなわれたライブから、ボイスダンス(ラトゥンカトゥア)の激団波兵と即興ピアノの水城ゆうによる即興セッションのもようをお送りします。

映像はこちら(画像をクリックしてください)。
次回の〈ビッチェズ・ブリュー〉ライブは6月29日(月)夜です。
激団波兵、野々宮卯妙、水城ゆうが出演します。
詳しくはこちら

2015年6月11日木曜日

6月の四茶げろきょオープンマイク、終了

昨夜は三軒茶屋の〈四軒茶屋〉でげろきょ(現代朗読協会)主催のオープンマイクイベントがあった。
毎回、バラエティ豊かな表現者が駆けつけてくれて、楽しみなのだが、昨夜も大変楽しかった。

いま、ちょっと振り返ってみたのだが、昨夜の回で6回めだったようだ。
ずいぶんいろいろな人に出演してもらった。
記録をひっくりかえしてみると、

 石井美子
 松原あけみ
 山本寿実
 てんトコラ
 野々宮卯妙
 福豆々子
 高崎梓
 山本葉月
 山上晴美
 伊藤さやか
 永倉秀恵
 みみりーにょ
 ふくおかかつひこ
 晩衛
 高橋喜宣
 三上その子
 トミタタミト
 田島敦夫
 岩倉さと子
 Junjun Fujiyama
 藤沢辿
 福豆々子
 湯谷麻生子
 有田朋美+1
 西口千草
 小島裕史
 はっしー
 御幸菜穂子
 飯干大嵩
 高崎梓
 川崎満里菜
 川崎実雪
 小幡恵理子
 佐藤大輔
 臼井淳一
 宮川ナミ子
 黒猫
 原口忠實
 菊地敦子
 前木久里子
 桐村光
 あかつきえにし
 村田活彦

ダブりなしで43名の方が出演していただいた。
進行役の私と森沢幸、お店の出町さんと小野さんもいる。
なんだかすごいな。

昨日も参加枠がいっぱいになった。
出演者はつぎのとおり。

 川崎実雪/川崎満里菜/水城ゆう(ペムペル/カスタネット)
 野々宮卯妙/菊地敦子
 森本清美
 てんトコラ
 前木久里子
 桐村光
 あかつきえにし
 村田活彦
 晩衛

初参加の方も4人いらした。
このオープンマイクの特徴は、決してお互いに批判したり非難したりせず、ただ共感的に受け取りあう場である、ということだ。
そのために工夫されたフィードバック用アンケート用紙がある。
批判や非難を受ける心配はないけれど、みなさんからもれなく、自分の表現がどのように受け取られたのかのフィードバックはもらうことができる方式になっている。

今回、初めての方が4組いらした。
どの方も個性的で、興味深かったし、共感的な表現の場をいっしょに作ることに協力してもらえてうれしかった。
近く、記録映像の抜粋を編集して、YouTubeで公開しようと思う。

次回、7月の四茶げろきょオープンマイクは、7月19日(日)16時スタートです。
詳細と参加申し込みはこちらから。

【YouTube】5つのマインドフルネス・トレーニング(朗読・石井佑都杏)

2015年春、マインドフルネスの実践者・指導者のティク・ナット・ハン師がひきいるプラムヴィレッジのメンバーが来日し、合宿や講演、瞑想会を精力的に開催しました。
そのときに使われたテキストのなかから「5つのマインドフルネス・トレーニング」(訳/責任編集・島田啓介)を、合宿にも参加した石井佑都杏(ゆっきー)が羽根木の家で朗読しました。

健康状態が万全でないなか、とても真摯に読んでくれました。
多くの方に聴いていただけるとうれしいです。

映像はこちら(画像をクリックしてください)。
朗読 石井佑都杏(ゆっきー)
 撮影 野々宮卯妙
 編集 水城ゆう

 協力 島田啓介
    プラムヴィレッジ/ティク・ナット・ハン 2015 来日招聘委員会
    現代朗読協会
    羽根木の家

2015年6月8日月曜日

新作音楽アルバム「Music Meditation Vol​​.​​5 awakening of insects」リリース

音楽の新作アルバム「Music Meditation Vol​​.​​5 awakening of insects」が完成し、配信スタートしました。
全曲試聴できるほか、ダウンロード購入もできます。
こちら。
⇒ http://u999u.info/lAcN

2015年1月1日からYouTubeでほぼ毎日配信している「音楽瞑想(music meditation)」を、日本の24節季ごとに切り出したアルバムするプロジェクト、その第5弾です。
Bandcampのアルバム用に音源はリマスタリングしてあります。
Vol.5は「啓蟄(awakening of insects)」です。
収録曲をリストしておきます。

 1. moisture (1:33)
 2. door (2:50)
 3. eclosion (2:07)
 4. play (1:49)
 5. doll (2:13)
 6. shaken (1:37)
 7. walk (2:14)
 8. boil (2:04)
 9. flower (1:34)
10. pond (2:19)
11. clown (1:35)
12. road (1:50)
13. bottom (2:18)
14. butterfly (2:00)
15. chrysalis (2:24)

2015年6月7日日曜日

「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演来場者の声(2015年5月)

先月5月20日夜に明大前〈キッド・アイラック・アート・ホール〉のギャラリー・スペースでおこなわれた公演「沈黙[朗読X音楽]瞑想」の来場者の声をご紹介します。
ちなみに、次回の公演は6月26日(金)夜です。
詳細はこちら


◎初めての参加です。途中きもちよくて、ウトウトしていましたが、ねているのとは少し違うかんかくでした。まっくらの中のピアノの音がとても気持ち良かったです。他の瞑想にもチャレンジした事があるのですが、どーも私は雑念が多く、なかなかクリアな感じがないのですが、今日はとてもきもちよくすごせました。ありがとうございました。

◎朗読が思っていたものと全く違い、言葉として認識していたのがいつの間にかただの音として聞こえた。個人的に雑念(ことば)が中々消えなかったが、聴覚になるべく集中していると、暗くても音への距離や振動音でホールの広さが感じられたりしてとても落ち着いた。特に朗読は新体験になったので、単純にすごく面白かった。

◎音や声を“体験”するということで、じっと耳をすまして音や声をきいていると、楽器の音と声が何となく呼応しあっているな、というのが分かりました。現代朗読さんのパフォーマンスは何度か観たことがありますが、改めて、すごく新鮮で不思議な体験でした。そして後半は、ずーっと暗闇の中でのピアノでしたが、僕は色んな想いを感じずにはいられませんでした。本当は静かに耳を澄ませて聞いているべきなんだろうけれど、ピアノをききながら暗闇をみていると、色々なことを感じずにはいられませんでした。とてもいい時間でした! また次の機会を楽しみにしています(^^)!

◎今日の朗読の一部では、少し色々な音に引っ張られる感じがしました。「粋」という言葉がそこここに出現するのだけれど、音に乗って、符牒のように飛び廻るばかりで正体がつかめない……。2部の瞑想部では、事前に見たパレスチナの少女の顔が少しチラついたが、戦場とは対照的に緑と水滴を含んだ空気の中を、浮遊しながら心落ち着く世界を喜んでいる気になりました。

◎もっとピアノの音を聴いていたかったです。暗闇で弾けることが不思議でした。朗読といろんな楽器の音が混ざっていくのがおもしろかったです。

◎頭の中でこりかたまっていたものを、ある意味、暴力的になぶられた感覚。言葉を「音」として知覚するのは新鮮でした。後半、暗やみの中、音に身を任せていると、風に吹かれる草原の中にいました。

◎今までは毎回下で聞いていたので、今回は上で聞いてみました。やっぱり音の響きが大分違いますね。そのせいか、音が身体に入って来る感じが早く感じられました。今回は身体と呼吸にも意識を向けてみました。身体の各パーツを出来るだけ細かに感じる様にしましたが、自分では出来ていたと思います。呼吸は、気を抜くと意外に浅くなっていたり、極端な時は呼吸が止まっていることに気づくこともありました。真っ暗な中、ピアノの音を頼りに空間を感じられた時に、なんだか不思議な幸福感を感じました。

◎声が言葉になったり、音になったり、発する側×聞く側の関係の中で移り変わって感じられるのが、面白かった。暗闇の中、やはり神経は、覚せいしていて、意味のあるコトバが次から次へと出てきてしまいます。水なる(?)のは、中々ムズカしいですね。何でも楽器になる! 楽しいです。。。

◎暗闇になった時に、天井の小さなあかりが出口のようでもあり、入り口のようでもあり、そこに望みをかけて呼吸していました。また、じっとしていることが難しくて、からだの中でずっと踊っていました。周りの方の張り詰めた空気が伝わってくると、だるまさんが転んだ状態で緊張が高まりました。久しぶりに水城さんの演奏、卯妙さんの朗読を体験しましたが、なんだかお二人とも軽やかな印象でした。草原でのどかにロバの背中に揺られてる、みたいな。

2015年6月6日土曜日

親密な関係を共感的にかんがえるワークショップ、終了

昨日の夜は「親密な関係における共感的コミュニケーション」の勉強会を開催し、無事におわった。
初めての試みだったが、思いがけずたくさんの方においでいただき、羽根木の家の座敷がいっぱいになった。

共感的コミュニケーションのベースとなっているNVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)を私は2007年ごろから学んでいて、海外から招聘した公認トレーナーによるさまざまなワークを受けてきたが、SEXにかんするワークはなかった。
しかし、性的な関係をふくむ親密な間柄の者同士のコミュニケーションの問題がないわけではないと思っていた。
むしろ、けっこうあると思っていたし、そういう関係において暴力をふるったり、物理的な暴力でなくても暴力的な上下の関係性が生まれたり、依存されたり、したり、といったことを聞くことがある。
そのような場合、NVCではどのようにあつかうのだろうか、ということに興味を持っていた。

昨年12月に日本で開催されたNVCの集中合宿IIT(国際集中トレーニング)で、公認トレーナーのひとりロバート・クルズィスニクが親密な関係をあつかうワークをやるというので、私も参加してみた。
そのとき、ちょっとした驚きと喜びがあり、これは共感的コミュニケーションの勉強会でもみなさんに紹介してみたい、と思った。

それから半年。
私なりに親密な関係をあつかうワークについて消化し、また私なりの工夫も加えて、いよいよやってみようということになった。
それが昨日の勉強会だ。

ワークの内容は、大きくふたつに分かれる。
ひとつめは「もっとも大切で親密な関係の人と親密さがもっとも満たされてるいる状態」をあつかうワーク。
もうひとつは「親密な関係をことわった相手、あるいは不適切な関係を持ってしまった相手」をあつかうワーク。
いずれも感情とニーズにつながる自己共感のワークで、昨日は相手側のことは扱わなかった。
しかし、驚くほど多様な感情とニーズが発見できて、みなさんもびっくりしたようだった。

いつも思うことだが、自分のニーズに深くつながることで、行動の質が変わる。
親密な関係においても、相手にたいする思いやりや尊重がうまれる。

今回の勉強会が好評だったのと、今回来れなくてまたやってほしいという要望があるので、7月10日にまた開催することにした。
興味のある方はこちらをどうぞ。リピートも歓迎です。

2015年6月5日金曜日

【YouTube】水城、ゼミ生に音楽を語る

羽根木の家のデジタルピアノの前で、現代朗読のゼミ生数人を相手に、臨時にはじまった音楽塾。
そもそも、音楽がなぜ人の心をわくわくさせたり、落ち着かせたりするのか、和音の機能がもたらす生理的反応を解説しながら、実例を演奏で聴いてもらいました。

映像はこちら(画像をクリックしてください)。
水城ゆうは不定期に、音楽についてさまざまな解説や実例紹介、実演をしながらみんなで楽しむ「音楽塾」を開催しています。
次回は6月12日(金)夜、現存するジャズピアニストでは最高峰といっても多くの異論はないと思われるキース・ジャレットの音楽を取りあげ、解説します。東京・世田谷の古民家〈羽根木の家〉にて。
詳細と申し込みはこちら

【YouTube】5月の白楽ないと@ビッチェズ・ブリュー抜粋映像

2015年5月26日。
横浜・白楽のライブスポット〈ビッチェズ・ブリュー〉でおこなったライブの模様を、記録映像からごくかいつまんで抜粋しました。

 野々宮卯妙 朗読
 激団波兵 ボイスダンス
 山田みぞれ 朗読
 水城ゆう 朗読

映像はこちら(画像をクリックしてください)。
次回の「白楽ないと」は6月29日(月)夜に、おなじ場所で開催します。
詳細と申し込みはこちら



2015年6月3日水曜日

新作音楽アルバム「Music Meditation Vol​​.​​4 rain water」リリース

音楽の新作アルバム「Music Meditation Vol​​.​​4 rain water」が完成し、配信スタートしました。
全曲試聴できるほか、ダウンロード購入もできます。
こちら

2015年1月1日からYouTubeでほぼ毎日配信している「音楽瞑想(music meditation)」を、日本の24節季ごとに切り出したアルバムするプロジェクト、その第4弾です。
Bandcampのアルバム用に音源はリマスタリングしてあります。
Vol.4は「雨水(rain water)」です。

収録曲をリストしておきます。

 1. kneel (2:32)
 2. spread (3:29)
 3. point (1:51)
 4. crack (1:43)
 5. blink (1:47)
 6. upstairs (1:32)
 7. robin (1:39)
 8. resound (2:25)
 9. bud (2:22)
10. stand (3:04)
11. fragment (1:57)
12. seesaw (1:41)
13. raise (1:47)
14. admire (1:44)
15. solitude (1:43)