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2014年9月26日金曜日

明後日は韓氏意拳の羽根木体験&初級講習会です

右足首の骨折中でいろいろな方に絶賛ご迷惑をおかけ中の水城であるが、明後日28日(日)の羽根木の家での韓氏意拳体験講習会と初級講習会は予定どおりおこなう。
さすがに私は稽古に参加できないと思っていたが、講師の内田先生からは、
「座って練習を行う場合は椅子を2脚用意してください」
という謎のメッセージが……。
どういうことだろう。
楽しみなのだ。

まあ私のことはともかくとして、まだ参加申し込みが少ないので、こうやってお誘いメッセージをカキカキしているところだ。

韓氏意拳は「意拳」というからには「拳法」の一種であり、中国武術のひとつなのだが、実際の練習では武術的イメージの型稽古とか反復練習はほとんどない。
人は外敵と遭遇するなど、自分の生命の危機に直面したとき、無意識に本来身体にそなわっている「対応能力」を発揮しようと「構え」るが、じつはそれが武術的な型のもとになっている。
だれかが戦いの場でなんらかの型や手順を使って生きのこったとき、それを知った人々はその型や手順を学んで自分も生きのこりたい、強くなりたいとかんがえる。
そうやって中国武術の世界ではいろいろな型、身体操法、そして流派が生まれ、消え、そして現在は現代武道として健康法などとも合流して残ってきている。

韓氏意拳はそのようなさまざまな型や流派が発生したそのおおもとにある、そもそも私たちが生まれつきそなえている生命危機に対応する能力について、きざしをつかまえ、人為的な社会性やイデオロギー・思考が邪魔をしているその発露を見ていこう、本来ののびやかで強力な表現を再発見していこう、というのが稽古になる。
そのための稽古体系として、非常によくできたものがある。
形体訓練であり、平歩站椿であり、その他さまざまな練習方法の体系だ。
これらは韓星橋先師によって整えられ、現在の韓競辰老師が伝え広めている。

体験してみるとわかるが、練習は非常に簡単でありながら、同時に難解でもある。
私もそうだったが、最初はなにをやっているのかさっぱりわからなかった。
自分がなにをやっているのかすらわからなかったし、自分にどんなことができて、どんなことができないのかすら、見当もつかなかった。
あまりにわからなさすぎることがおもしろくなって、つづけてみたら、さらにおもしろい世界が先には広がっていた、というわけだ。
とにかく、他のどの武術とも違う。

韓氏意拳はいまや、私の生活にとってなくてはならないものになっている。
非常に密度の濃い体認とともにもたらされるマインドフルネスの状態。
部分ではなく自分の全体をつかまえる能力が増したことによる、表現へのアプローチの変化――私の場合はピアノ演奏などの表現行為において、ということだが。
そして朗読演出においても、体認のエチュードというものを朗読者に指導することによって、武術とはまた違った方向性ではあるが、身体表現への意識を強く持ってもらうことができる。

武術として当然興味深いものではあるが、自分の身体や思考への意識が深まり、日々の生活が大きく変化する韓氏意拳。
すこしでも興味を持たれた方は、一度羽根木の家での体験講習会に参加してみてほしい。
たぶん最初は笑っちゃうくらいわけがわかんないと思うけれどね。

※内田秀樹準教練による韓氏意拳の体験&初級講習会は、明後日9月28日(日)、現代朗読協会「羽根木の家」にて開催。
 自分の未知の身体に出会えるユニークで注目の武術です。
 どなたでもご参加いただけます。
 詳細と申し込みはこちらから。