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2013年10月4日金曜日

千と千尋の神隠し〜いつも何度でも、演奏裏話

唱歌以外の既成曲、とくに現代曲をカバーして演奏することはめったにないのだが、昨日はなんとなくジブリ映画「千と千尋の神隠し」の主題歌を弾いてみたくなった。

「千と千尋」はともかく、私自身はジブリ映画にちょってと思い入れがある。
1986年に商業小説家としてデビューしたとき、その出版社は徳間書店だったのだが、処女作出版の打ち合わせのために何度か新橋の古い社屋の徳間書店(この社屋は「ココリコ坂」に描かれている)を訪問したとき、入口をはいったところの廊下にやたらベタベタとポスターが張ってあった。
それは「天空の城ラピュタ」の公開を間近に控えたポスターだった。
宮崎駿のSFアニメであり、私のデビュー作も冒険SFの『疾れ風、哮えろ嵐』という作品だったので、なんとなく親近感を覚えていた。
舞台も天空に浮かぶ島と、私の作品も海に浮かぶ人工島だった。

その後、幼い息子といっしょにジブリ映画のビデオを何度も観たりして、久石譲の音楽にも親しんでいた。
「千と千尋」は、実はリアルタイムで映画館では観ていなかったのだが、その後DVDで観て、おもしろい作品だと思った。
音楽もよかった(一番いいと思うのは、いまでも「ナウシカ」だけど)。

「千と千尋」の主題は「いつも何度でも」という題で、久石譲の作品ではない。
しかし、なんとなくなじんでいて、おもしろい。
今回、ビデオを回しながら演奏していたら、演奏の最後のほうで羽根木の家の玄関チャイムがピンポンと鳴った。

よく見ると、最初から羽根木の家の庭で木々の緑が風に揺れている風景が背景に映っている。
そこで仕事している野々宮が、チャイムの音で立ちあがって、玄関に向かっていく。
やってきたのは、昼ゼミに参加するためにやってきたオーディオブックリーダー養成講座受講中のトモコさんで、私はかまわず演奏をつづけたが、最後はトモコさんが部屋にはいってきたので、アイコンタクトして笑ってしまったが、トモコさんは収録している雰囲気を感じて、邪魔をしてしまったのではないかと気にしていた。
全然大丈夫だったのだが。

羽根木の家の日常の風景。
私の大切な時間。

「千と千尋の神隠し~いつも何度でも」の演奏風景はこちら