ページ

2012年11月18日日曜日

感情をプラスとマイナスに区分しない

photo credit: Pat McDonald via photopin cc

気持ちが落ちこんでいる、悲しい、つらい、怒っている、むかついている、イライラしている、といった感情を「負=マイナス」、楽しい、わくわくする、うれしいといった感情を「正=プラス」、というふうに区分けしてかんがえてしまうことがある。
なるべくプラスの感情を持つように毎日をすごしたい、マイナスの感情を持ったときはそれをなくすために別のことに心を向けようとする、といったふうにふるまう人がいる。
いま自分は楽しい気分なので「よい」、落ちこんで元気がない自分は「よくない」というふうに、自分で勝手に自分を判断・評価してしまう。

この癖があると、たとえば楽しいことがあったときには必要以上に「楽しかった!」と自分自身やまわりを盛りあげようとしたり、逆につらいことがあったときにそれを「なかったこと」にしようとすることがある。
いずれも自分をないがしろにする行動で、よい結果をもたらさない。


感情はどんなものであれ、自分がなにを大切としているのか、なにを必要としているのかをしめす大切なポインター(指針)である。
自分自身をないがしろにしないためには、これを丁寧にあつかってやる必要がある。

なにか感情が動いたとき、ちょっと立ちどまって自分のなかにスペースをつくり、その感情がどこから来たのか、なぜ起こったのかをかんがえてみる。
仕事で上司にしかられて、悲しくなった。
その「悲しい」という感情はどこから来たのか、なにが原因で起こったのか、かんがえてみる。

仕事で役に立ちたかったのに、それがうまくできなくて悲しくなったのだろうか。
失敗もふくめて上司に受け入れてもらいたかったのがかなわなくて悲しくなったのだろうか。
上司との信頼が失われたような気がして悲しくなったのだろうか。
自分がどんなことを大切にしていたのか、さがし、それを見てみる。

悲しくなった理由がわかると、「悲しい」という感情にとらわれてしまっている自分から、「自分が悲しいことの原因がわかっている自分」に立ち位置がシフトする。
そうすると自分にたいして客観的な理解がうまれ、冷静になれる。
冷静になり、客観的な理解が生まれたら、それにどう対処すればいいかという次の行動のことをかんがえられるようになる。


ここで一番大切なのは、最初の感情を評価・判断せず、丁寧に扱うということだ。