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2010年7月11日日曜日

ウェルバ・アクトゥス・ワークショップ、野外ミニライブ、懇親会

昨日7月9日。名古屋にて。晴。
宿泊している丸の内のホテルからてくてく歩いて栄へ。デパ地下で昼のお弁当を仕入れてから、バスで演劇練習場アクテノンへ。
今回のウェルバ・アクトゥス・ワークショップは大練習場を借りていて、じつに贅沢(もちろんその分費用はかさむ)。それなのに、欠席者とドタキャンが続出。デフォルト参加者は数名というありさま。そのかわり、見学者が5名ばかりいるらしい。

時間前に腹ごしらえ。
14時からワークショップ。今回からファンキーが進行などのサポートに入ってくれることになって、とても心強い。
見学の方も、とりあえず参加してもらうことにして、スタート。初めての方がいるので、ウェルバ・アクトゥス(現代朗読)の考え方の基本を押さえながら進めていく。
朗読は身体表現である、朗読はコミュニケーションである、表現の質(クオリティ)は身体の質に左右されるので「マインドフルネス」の練習は大切である、知らず知らず自身で「拘束」してしまっているいる身体と精神を解放する練習が必要、など、実際のエチュードを交えながら、いつものように進めていく。
初参加の役者志望という女性(20代前半)が、テキストを読んでもらったとき、あまり伝わらないクオリティだったので、クオリティを高めるためのエチュードをやってもらったら、みるみる変化していったので、本人も含め皆さんが驚く。私も驚く。つまり、どんな人にもすごいポテンシャルがあって、ただそれを発揮できないなんらかの阻害要因が働いているだけだということだ。その阻害要因を取りのぞいてやるだけで特別なことはなにもしなくても、人はみずからのポテンシャルを発揮し、すばらしい表現体になることができる。

やはり初参加だが、他の朗読講座には長年通っているという中年女性から質問が出た。
「普通の教室では、ひとりずつ読んで、そのたびに滑舌とかイントネーションとか、読み方を直されたりするんですが、ここではそういうことはしないんですか?」
やりません。いや、まったくやらないわけではないが、技術的なことにまず目がいってしまうと、それ自体が目的になってしまうことがあるし、「ある型」に個人表現をはめこんでいくことになってしまう。それは私のもっともやりたくないことだ。
個人のなかにある、まだ本人すら気づいていない不定形のポテンシャルを引きだすことが目的なので、読み方について技術的な指導をすることは、よほど後になってからのことになる。
そんなふうに答えると、とても驚かれたようだった。
しかし、そんな彼女の疑問や驚きに対して、デフォルト参加者たちが自主的にフォローしてくれたので、私はありがたかった。デフォルト参加者たちがどれだけ私の考え方を理解してくれているのか、おぼつかないところがあったのだが、今回のワークショップで皆さんがしっかりと理解してくれていることがわかって、本当にうれしかった。
見学には位里ちゃんと優美さんも来てくれた。優美さんとはまったく話せなかったのだが、ワークショップを見てなにか感じてもらえたのだろうか。

17時すぎにワークショップ終了。
野外ライブのリハーサルを少しやる。これもノノミヤに任せた。私は少し休む。
18時すぎにアクテノンの野外ステージに移動し、ミニライブの準備。MOMOから借りたピアノやスピーカーをセッティングしたり、観客用椅子をならべたり。
18時半、ミニライブを始める。お客さんは少なかったが、野外ステージは以外に音響もよく、風が吹きわたり、雲が流れるのが見えたりして、とても気持ちよかった。出演の皆さんも気持ちよく、自由に楽しんでくれたようだった。
幼い子どもをふたり連れたお母さんが見てくれていたのだが、大きいほうの子どもがステージの前までやってきて、最後の「祈る人」の合同朗読のときには、自分は字が読めないくせに懸命に声を合わせようとしてるのがかわいらしくもうれしかった。

林ちゃんの「星めぐりの歌」独唱にみんながからむ。
ノノミヤの「温室」。
5人での「Kenji V」。
最後に「祈る人」。
19時半、ミニライブ終了。楽しかった。
後片付けをして、懇親会の会場まで歩いて行く。

懇親会には MOMO の節っちゃん、カメラの丸ちゃん、そして僧侶見習いになった今泉くんがひさしぶりに顔を出してくれて、大盛り上がり。
いやー、今泉くんが来てくれて、びっくりしつつうれしかった。こんなにうれしく思っている自分にびっくりした。
今年の名古屋のウェルバ・アクトゥスはスロースタートだったが、いい感じになってきた。一歩さんの変わらぬ情熱にも感謝。
二次会に行こうという話になったが、私はほとんど眼をあけていられないほど眠くなっていたので、ファンキーにホテルまで送ってもらった。