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2010年7月14日水曜日

いま読んでいる本:遊牧夫婦

無職のまま結婚して、そのまま海外旅行へと出かけ、5年間も旅生活をしていた夫婦の本。
旦那のほうが書いているのだが、これはいまも「ミシマガジン」というネットマガジンに連載中のものらしい。それの最初のほうの、オーストラリアから東ティモールまでの旅の様子。
おもしろい読み物だし、こんな夫婦がいたんだという驚きもあるが、残念なことがひとつ。
文章が雑!
この旦那は物書き志望ということで旅に出る前からライター仕事もしていたし、出る前に雑誌から旅ルポの仕事ももらって行ったはずなのにね。
たぶん、沢木耕太郎のハイクオリティな旅ルポ(というよりほとんど文芸旅行記)を読んでしまっているからかもしれない。
残念ながら、ネットクオリティ。活字は文体、文章が大事だなあ。

ふと思う。
ネットの普及でだれもがメッセージを発信できるようになったのはよいが、その分、文章クオリティはどんどん下がっていってしまうのではないか?
だれがそれを底上げする?
ネットの普及によって世界公用語が「プア・イングリッシュ」になってしまったように、テキストもネットによって「プア・クオリティ」になってしまうのか。

『遊牧夫婦』近藤雄生/ミシマ社