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2009年9月20日日曜日

「朗読はライブだ」というライブが終わった、おもしろかった!

 昨日。
 午前11時集合で、午後のライブのための打ち合わせ。
 今回のライブの参加者は、7月にスタートして全6回(昨日にライブ本番も含む)に渡っておこなった「朗読はライブだ!」ワークショップのメンバーと、4月から月に3回、毎月続けてきた「現代朗読入門クラス」のメンバーの両方である。ライブワークショップは7名、入門クラスは4名。
 簡単な進行の確認、打ち合わせ、少しだけ部分リハーサルをやって、昼食をすませ、会場の幡ヶ谷アスピアにぞろぞろと向かう。
 14時に会場入り。準備。アスピアのBスタジオというのを使ったのだが、ピアノがグランドとアップライトの2台ある。両方一度には弾けないので、当然グランドピアノのほうを使うことにして、ピアノの位置をライブ用に動かす。椅子をならべる。照明を調節する。
 そうこうするうちに、あっという間に開場時間となり、お客さんがいらっしゃる。といっても、多くはない。たぶん出演者とおなじくらいか、それより少ない。出演者の知り合いがほとんどだが、告知を見て飛びこみで来てくれた人もいる。
 15時、開演。
 演目と出演者は次のとおり。

1. 群読「前略・な・だ・草々」
  夏目漱石と太宰治の作品より構成
  川口久美子/嶋村美希子/河上レイラ/関聡美/滝田弥代
  清水貴久/糟谷久矢

2. 寺田寅彦「芭蕉の花」
  カナ

3. 太宰治「海」
  嶋村美希子

4. 若杉鳥子「独り旅」
  暫六月

5. 岡本かの子「汗」
  まりも

6. 群読「声」
  カナ/嶋村美希子/暫六月/まりも

 始まっていきなり、大きなハプニングが起こる。嶋村美希子が貧血で倒れてしまったのだ。背後からピアノを弾きながら彼女がうずくまったのを見て、私はすぐに六月さんとまりもさんに合図したのだが、ふたりとも「仕込み」だと思っていたらしく、なかなか来てくれない。が、来てくれて、嶋村を介抱。
 その間もライブは進んでいく。嶋村はなんとか自分の台詞のところだけ参加できて、幸いにもたいしたことはなさそうだ。
 そんなこともあってか、最初の演目はちょっとした緊張感に包まれながらも、それがいい方向に作用して、これまでになくいい出来になった。
 そもそも現代朗読の方法は、なにかをあらかじめ準備して作りあげておくものではなく、その場の雰囲気、自分の気分や体調、お客さんとのコミュニケーションを全部受け入れて表現に生かしていくというもので、当然、予期しない事態が起こったときもそれを受け入れていく。なので、びっくりはしたが、動揺して我を失うという人はひとりもいなかった。
 カナさんの「芭蕉の花」では、なぜか感動が朗読者自身、ほかの出演者も、お客さんにも伝播していって、一番大変だったのは次の出演者の六月さんとまりもさんだった。嶋村が調子が悪くなったので、演目がひとつ飛び、次はいきなり六月さんだったので、涙でぼろぼろになったまま出ることになってしまった。
 まあそんなハプニングも受け入れながら、「独り旅」「汗」ともに柔らかく、楽しく、とても癒される読みとなり、お客さんもなごんでいたようだ。私も背後でピアノをつけていてとても楽しかった。
 最後の演目「声」では、嶋村がなんとか復活し、ひとりひとりが個性的でありながら全体でユニットとしてひとつの表現を作りあげるというすばらしいパフォーマンスを見せてくれた。
 終わってから、レイラさんのご両親に挨拶。あとでレイラさんに聞いたことだが、お母さんはかつてライブハウスを経営していたことがあって、たくさんのアーティストとライブパフォーマンスを見てきた方だという。そしてとても辛口の人らしいが、この私たちのパフォーマンスについては絶賛してくれたのだった。

 ライブ終了後、後片付け。
 みんなでまたぞろぞろと羽根木の家に戻る。
 打ち上げ。
 みんながこれほど楽しんで、幸せになってくれたライブは、そうたくさんはなかった。もちろん、私も大変幸せであった。

 今日からは第二期の「朗読はライブだ!」ワークショップが始まる。