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2011年10月1日土曜日

朗読と演劇の違い

ちょっとした演劇と朗読のイベントに行ってきました。
そこで発見したこと。演劇と朗読はずいぶん立ち位置が違うんだな、ということ。
演劇に立ち位置がある人たちがおこなったワークは、朗読から出発して、ある状況を与え、さらに対立構造を与えることで、表現がどんどん変わっていくというものでした。それはそれで大変興味深かったのですが、観客として座っていた私はあくまで観客であり、そこに関わる余地はありませんでした。
あらためて、演劇は対立構造で作られていることが多いと感じました。シナリオでは主人公に対立するキャラクターを立てることでストーリーに緊張感を与え動かします。ステージでは役者対役者の対立構造。そして役者対演出家。演者と観客の対立構造。それが緊張感を生み、ストーリーを動かし、観客を牽引します。
一方、朗読には対立構造はありません。少なくとも現代朗読では観客とコミュニケートし、共感の場を広げていきます。そこでは音楽も絵画も写真も共存/共演できます。演劇ステージでは音楽も装置も写真も「背景=background」になってしまうところを、朗読では共演として存在できるのです。
どちらがいいというのではなく、違いをはっきり知ることができたのはおもしろかったです。