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2020年7月15日水曜日

essay 20200715 たくさんの花に囲まれて

退院のめどがたって気づいたことがある。
病室には色が少ない。
病室の無色化を最も進めているのは、お見舞いの花だ。

家には絶えず色々な花があった。
訪問する友達によって変えられるだけでなく、日々時間によって変化する。
たとえ同じ花を毎日、時間がわりで描いたとしても楽しいだろう。

ふと気づく。
花に限らず様々なことが、様々な人によって私の生活に贈与されている。

今回は私のために金銭的なことを含め、大掛かりなサポート体制ができた。
これ自体私の友人の貢献によるものだし、それに賛同してくれた多くの人がいることにも驚く。
通りいっぺんの感謝と言う言葉では表しきれないほどありがたく、力づけられるものだ。
これほどまでに多くの友人たちとのつながりを感じたことがあったろうか。

いま私は病床にいるが、たくさんの花々に囲まれているような気分だ。
この花々に囲まれて、つぼみからはどんな音楽が生まれてくるのか。
どんな言葉が生まれてくるのか。
私自身も楽しみで好奇心いっぱいである。




From editor


水城が福井から東京にやってきて約20年。
それまでも商業小説家、ジャズピアニスト、ピアノ教師、パソコン通信のシスオペ(懐かしい呼び名w)、ラジオ局の放送作家、テレビ番組の司会者、小説講座講師、……とさまざまな個人活動をしてきた人だったが、東京にきてから以後の活動はそれまでとは少し次元が変わった。
演出や指導などの実践をとおして、現代朗読や音読療法の理論や手法を体系化し、現代アートとマインドフルネスを融合した境地を追求し、共感的コミュニケーション(NVC)の表現であり練習法でもある共感手帳術や共感文章塾を開き……
すでにあるものを問い直し、再編したりオリジナリティを加え、彼のまわりにいる人たちが理解したり受け取れるかたちにして渡していった。
とくに現代朗読は、私(素人代表)を実験台にして、誰でもできる=誰もがありのままのその人で表現することの尊さを、手法から表現にいたるまで一貫させた成果だと思う。

昨日のブログのFacebookへのシェアに、ある人が私たちの関係についてコメントしてくれた言葉が響いている。
人前でよく意見していたことから、私たちの「仲の悪さ」を見てられないと言われたことさえあったので、「阿ることなく、自分の考えを述べあえる自立した」「通奏低音のように信頼が途切れることなく流れてい」る関係として見てもらえたことは、なによりの祝福だった。
特にNVCに関しては意見が合わず(笑)よく議論もしたが、私のいまたどりついているNVCの地平は、現代朗読なくしてはたどりつけなかったものだ。
ありがとう、水城さん。


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